前回、田邊教授(要潤)の邸宅を訪れた万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)。食事が終わると二人は引き離され、万太郎と二人っきりになった田邊教授は、才能を認めつつ「わたしのものになりなさい」と提案するのでした。
らんまん第68話ネタバレ感想「日の目を見ぬ提案」
前回、田邊教授(要潤)の邸宅を訪れた万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)。寿恵子は田邊の妻・聡子(中田青渚)が家庭内での立場の弱さなどの少し異様な雰囲気を感じ取ります。
食後、万太郎と寿恵子は引き離され、寿恵子は聡子から後妻であり、結婚してまだ数か月程度である、しかも女学校在学中に父に辞めさせられ結婚させられたのだと聞きます。年が近い二人は意気投合するのでした。
一方万太郎は、万太郎が新種を発表できたのは田邊教授の下にいるからであるということ、大学に入るか留学するかで学士の資格を取れと言われますがそんな時間はないと拒否。教授は予想していたかのように、万太郎が学会にいるためには、自分のものになるほかないのだと囁くのです。
それは万太郎にとっては刃物を突き付けられたようなものでした。
田邊教授は万太郎を自分の専属の「プラントハンター」として雇うというのです。プラントハンターとはプロの植物収集家のことで、依頼主に応じ珍しい植物を探し回る仕事でした。イギリスなどではすでに存在し様々な功績を残しています。
田邊教授の求めに応じ、植物を探し新種が見つけた暁には万太郎の名前ではなく田邊教授の名前が載るというシステムです。
田邊教授は万太郎の才能評価し生活も保障する、そして新種を見つけた際には特別報酬も出すという提案でした。しかし万太郎には植物を発見するのにもかかわらず自分の名が載らないのかと納得がいかないのです。
ロシアのマキシモヴィッチ博士が日本の植物を手に入れることができたのは長之助という百姓の助手がいたからでした。彼に敬意を表し学名の多くにチョウノスキーと入れていました。それに倣い田邊教授も「マキノ」と入れてやると言います。それは助手としての人生を終えるなら十分なものでした。
一方、寿恵子と聡子はすっかり仲良くなっていました。
教授は怖くないのか?と聡子に聞くと聡子は少し怖いと言いながら、可愛いとも評しました。
聡子が母と買い物に出ていると向かいから大きな白い枕を持った教授が現れたと。罰が悪そうにして枕を隠すが枕が大きいからはみ出ていた。その後一緒に散策したが人力車に枕を置いて3人で歩いてくれた。彼は水鳥の羽が入ったふかふかの外国の枕でないと眠れない。その枕で教授と一緒に寝ている聡子は髪がみだれるのだがそれでもいいと言ってくれると言うのです。
聡子にとってそれが年上の教授の可愛い一面でした。
さらに、大学での田邊の厳しい立場を言います。田邊は留学時代から政府の人間と懇意にしているから政府の仕事を断れない、そのせいで大学の人間から妬まれて気が休まらないのだと、田邊が功名にこだわるのはこの辺にありました。
万太郎たちが田邊邸を後にすると、聡子は田邊教授に「お寿恵さんに先生をお助けするようお願いしました」というと教授は微笑み聡子の頭を撫でました。大学ではわからない教授の一面、教授は決して聡子をないがしろにはしていませんでした。
一方、別れた万太郎夫妻、万太郎の浮かない顔に寿恵子は怪訝な顔。
万太郎は、自分の植物への情熱を教授に語りながらもそれは理解されなかったことを思い出します。万太郎はプラントハンターを拒否すると教授の態度は一変、小学校も出ていないゴミに何ができると罵倒します。後悔するとも脅されました。
万太郎は寿恵子を抱きしめ多くを語りませんでしたが、寿恵子はうまくいかなかったのだと察していました。なんでもないと言いたげに万太郎に微笑み、竹雄からの申し送りとして「万太郎は笑っていないと力が出ない」のだといいました。
やってみたら案外岩じゃなくてカル焼みたいなもんかもしれませんよと続ける寿恵子に万太郎は嬉しくなって一層抱きしめ「早く家に帰りたい」と言いました。二人は手をつないで足早に長屋に帰ったのですが、寿恵子が布団を用意して待っていても万太郎は机に向かい筆を一心に走らせています。
「寝ないんですか?」
と寿恵子が聞くと、「すえちゃんのおかげでやる気に満ちている。ありがとう」といって来そうにありませんでした。乙女心がわからない万太郎にイライラする寿恵子、しかし夜は更けていくのでした。
翌朝、長屋ではかの(鈴木凛子)と健作(渋谷そらじ)が中庭で遊んでいました。そこに、佑一郎(中村蒼)が訪れたのです。
前回:らんまん第67話「晩餐の裏側で」
次回:らんまん第69話「旧友のアドバイス」
らんまん第68話ネットの反応「もふもふ枕と新妻を気遣う教授のギャップ」
そりゃすえちゃん悶々とするわな😂 #らんまん
教授がただの悪役で終わらず、寿恵子と聡子の明るい友情でどうにかまんちゃんとの間を取り持って欲しい
教授だって権力との軋轢の中でもがく一人の学者だもの
らんまん第68話ネタバレ感想考察「田邊教授のエピソードに銀英伝のハイドリッヒ・ラングを思い出す」
今回、万太郎に対して自分のプラントハンターになれと提案し断られると何も持たないゴミだと評し激昂した田邊教授、一気に田邊教授の印象が悪くなるはずなのですが、その前に田邊教授が再婚の年若い聡子から可愛いと思われている枕のエピソードや、万太郎夫婦が帰った後に、「私、お寿恵さんに先生の助けてあげてとお願いした」とやりました!となってる聡子に微笑み、頭を撫でるシーンなどを入れただの傲慢な教授のイメージを払拭してしまいました。
万太郎にとってはすべてを奪い取る魔王のような存在で、それと同時に家庭での教授、政府と大学の間で悩む教授を15分で詰め込むなんてすごい脚本だと思います。
もう何十年の前ですが、銀河英雄伝説という作品(数年前にアニメでリメイクされましたが)でも同じようなキャラクターがいました。
主要人物を反乱の首謀者に追いやった悪徳官僚ハイドリッヒ・ラングというかなり嫌われたキャラクターでしたが、家庭内では妻子を大事にする善良な父親、下級官僚の頃から給料の一部を福祉慈善事業に匿名で寄付していたなど、単純に悪役と断じることのできない二面性を持ったキャラクターでした。
田邊教授もまさにそれで、単純な脚本ならば若くまだ自分の思い通りに動かない未熟な妻に罵倒の一言でも入れるところですが、微笑んで見守る姿が来るとは驚き、視聴者はまたキャラクターを憎めなくなってしまいました。
どちらも傷つかないで、とまた次回からもはらはらしますね。
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