前回、思い悩む藤丸(前原瑞樹)に万太郎(神木隆之介)は休学を提案、そして万太郎と二人植物採集旅行に行くことになりました。
一方、田邊教授(要潤)は発刊された「日本植物志図譜・第二集」を手に万太郎を学歴のないクズではなく一人の植物学者として認めるのでした。しかしそれは周囲の人たちへの思わぬ波紋の始まりでした。
らんまん第79話ネタバレ感想「図譜の波紋」
前回、苦悩する藤丸(前原瑞樹)に、万太郎(神木隆之介)は自分を見つめなおす期間として休学を提案しました。それを機に藤丸は万太郎の植物採集旅行についていくとを決め、藤丸の休学を波多野(前原滉)はさみしく思うのですが、戻ったら三人でまた牛鍋屋に行こうと誓うのでした。
一方、田邊教授(要潤)は自分の力に頼らず日本植物志図譜・第二集を発行した万太郎に「そこまで私の力に頼りたくなかったのか」と嫌味をいうと同時に、万太郎を一人の植物学者として認めると宣言するのでした。
それは新たな波紋の始まりでした。
そしてとうとう万太郎が植物採集とタキ(松坂慶子)の墓参りをする旅に出る日が来ました。身重の寿恵子(浜辺美波)を置いての旅行ですが寿恵子は止める事なく笑顔で送るのです。
万太郎が不在の中、日本植物志図譜は博物館の野田(田辺誠一)や里中(いとうせいこう)らの許にも届いていました。野田らは「槙野君は植物の生きる時間をここに閉じ込めている」「植物をモノではなく植物という生き物を描いている。博物学の学者たちにも是非みせたい」と褒め合い、初めて会った時のことを思い出し目頭が熱くなるのでした。
一方、植物学教室では田邊教授が野宮(亀田佳明)の描いた論文の添付図を見て「よくできた絵画だ」と言い「今後の植物学界は皆槙野の絵を見ている。槙野の絵が基準になる」と書き直しを示唆します。しかし野宮は絵画畑の人間で、植物学者目線の人間とは見る視点が違うのです。無理と出だそうとする野宮に「なら選べ。この植物画の域が描けないなら福井に帰れ」と冷たく突き放してきました。
野宮は父も体が動けず、尚且つ子は東京の学校に通っていました。いまさら福井に帰れだなどと到底受け入れられない話でした。
波多野(前原滉)は藤丸の代わりにうさぎの世話をしていました。そこに顔色の悪い野宮が現れて論文で忙しい時に申し訳ないが、顕微鏡で植物を観察する方法を教えてほしいと頼み込んできました。
仕事で知りたいのかと思った波多野は二年生の実習にどうぞ入ってくださいというと野宮はそれでも足りないと言い、「君は何を見ているんですか」と問います。
波多野は言いました。「今は見えないってことを見ています。見えるものを見ていると、その先にもっと見えないものがあるはずだと気になってくる。例えば受粉、花粉がめしべに入ってから植物の中で何が起こっているのかまだわかっていないことだらけなんです。そういうことをこの目で見てみたい。僕はまだ肉眼ではみれないけれど、命をつかさどる仕組みを見たいと思っている。一生をかけてでも。こんなんだから藤丸はついてこれないって思ったんでしょう」
そういうと野宮は即座に否定。「もしもそんなものが見れるなら一生をかけても惜しくはないでしょう。この世にはおとぎ話はいくつもありますが、かぐや姫の宝や不老不死の薬より私は命の源を見られる方がずっといい。その源をいつか描いてみたい」
野宮の心内を聞いた波多野は自分と組まないかと提案しました。「自分は植物を見る目を教えます、野宮さんは僕の手になってください。僕が発表する時には野宮さんが顕微鏡の奥の奥まで移した正確な植物画を描いてください。そんなものは写真には写らない、目には見えないものは万さんにも描けない」
その言葉に野宮は嬉しそうに微笑みました。万太郎にも描けないものを自分に描いてほしいと言われたのです。万太郎のように精密な絵が描けないと言うと波多野は「今は、でしょう?僕だって今は見えない。でも一緒に見えるように書けるようになりましょう」と言い二人は強く握手するのでした。
「いい日だ。さっきまで寂しくてたまらなかったのに」
と波多野は涙をこらえ、「俺も割と死にそうな気分でしたよ」野宮が感情をこめて「俺」というのに気づきまた二人は笑い合うのでした。
十徳長屋では寿恵子がりん(安藤玉恵)やえい(成海璃子)、そしてえいの子どもたちと洗濯をしていました。
身重の寿恵子を置いていくなんて、とりんはあきれ顔でした。寿恵子は気にする風でもなく図譜3冊目にむけて珍しい植物の採集が必要なのだと言うばかりです。
9月に帰ってきてくれればこの子も9か月目だから大丈夫という寿恵子にえいとりんは驚愕、早く生まれることもあるのだ、現に倉木家の健作(渋谷そらじ)は9か月で生まれたと伝えます。
旅先の万太郎にはどう連絡すればいいのかと焦りますが、寿恵子はあっけらかんとして、万太郎は草花の精だからその辺の草花に話しかけてもらえればって言っていたと笑うばかり。
りんはあきれながらも草花に早く帰ってこいとすごみ、子供たちにお花への悪口はメッと怒られる。。。といった十徳長屋では穏やかな時間が流れていました。
そんな寿恵子の許には万太郎から大量の採集した植物画届けられました。これを乾燥させるのか…と寿恵子は頭を抱えますが、植物の中に寿恵子宛ての手紙をみつけ微笑むのでした。
前回:らんまん第78話「日本植物志図譜・ヤマザクラを載せて」
次回:らんまん第80話「我が子に送る咲き誇る名」
らんまん第79話ネットの反応「波多野くん野宮さんバディになれてよかった」
こんなセリフを入れ込む脚本の妙🥳
#朝ドラらんまん #らんまん
画工の野宮さんと分かり合えて、共に歩んでくれることになってよかった
この2人が組むとは意外だったけど、2人ならやってくれると思う!
思わず素が出た野宮さんもいい
#らんまん
単純に人が足りないんだよね
らんまん第79話ネタバレ感想考察「波多野、野宮のモデル池野成一郎と平瀬作五郎は生涯のバディ」
波多野さんのモデルは一時期誰かと情報が錯そうしていましたが野宮さんとバディを組むことになって、池野成一郎であることが確定しましたね。
波多野さんのモデル池野成一郎は、堺奉行を務めた池野好謙(山城守)の息子で江戸駿河台屋敷で生まれています。
旗本の中でも結構上級武士ですよね?作中での波多野さんはどことなく上品なのはそれを意識しているのかも、やはりどの時代もいい学校、いい環境で研究できるのはお金持ちの子なんですね。
池野成一郎は、野宮さんのモデル平瀬作五郎のイチョウの研究を手伝い、平瀬はイチョウの精子を発見することになります。その傍らで研究していた池野は次いでソテツの精子を発見し学会の発表することになります。
池野は東大を出ており、順調に教授に就任、一時期はドイツでも教授になるなどグローバルに活躍します。
大学を出ていなかった平瀬はイチョウの精子の発見をしたものの、帝国学士院恩賜賞を受賞することができないとされていましたが、池野が「平瀬らもらわないなら私も断る」といったため平瀬も一緒に受賞がかないました。
この頃平瀬は研究も断念するほど不幸な時期を送っていましたが池野は見捨てずずっと気にかけていたんですね。
作中の優しい波多野さんにしっかり反映されていますね。
意外な事実「波多野さんおモデル池野成一郎の義兄は松村教授」
そんな池野成一郎は実は、徳永助教授のモデルである松村教授の義理の弟にあたります。松村教授の妹きくをお嫁さんにしているんです。
やはり東大という同じ職場ですから、松村教授側から口利きがあったんでしょう。松村教授の実家は常陸松岡藩の家老の家柄ですから、堺奉行まで務めた旗本の息子とならつり合いもとれますね。
波多野さんと、徳永助教授の妹とのなれそめ、ぜひらんまんでもやってほしいです。そしたらまたネットが盛り上がりますね。
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