前回、山元虎鉄(寺田心)とのやり取りから、新種の植物を発見した万太郎(神木隆之介)、この出会いをきっかけに万太郎は新たな出会いを作り居場所を作っていくことになるのでした。
らんまん第96話ネタバレ感想「ミントのように縁を増やして」
前回、山元虎鉄(寺田心)に教えてもらった植物が新種どころか科や属すらない全くの新しいものであるという結論に達し、それはとんでもない発見でした。
日本で初めての新しい科「ミトラステモナケアエ」日本語でヤッコソウ科、日本人が誰も体験したことのない高みに到達したのでした。それは万太郎を追い出した田邊教授(要潤)も到達したことのない世界だったのです。
そしてその縁は、虎鉄から学校の教師たちへと繋がれていき、たくさんの植物について語り合う場となりました。万太郎は一人ではなく誰かと植物を通じて繋がっていくそれは万太郎にとって大きな励みとなるのでした。
寿恵子は万太郎の図譜作りを手伝いながら、石版印刷に描かれた万太郎の植物画をほめそやします。自分を評価しない万太郎にあなたはとてもすごいのだと言い聞かせもっとがめつくなれともいうのです。万太郎を最も理解し応援しているのはやはり寿恵子なのでした。
新たに交友を持った人々からひっきりなしに植物が届くようになった槙野家、乾燥も終わらないうちに次々と届く荷物に家の中はどんどん手狭になっていく有様です。
そんな自信の様子を万太郎は「面白い」といい、覗いていた長屋の住人・丈之助(山脇辰哉)も、大学を追い出されたのにこんなに充実して面白いと笑います。
今や講師の職や文学で生計を立てれるようになった丈之助はかなり身ぎれいになって変わりましたが万太郎を未だに「万ちゃん」とよびじゃれ合う仲です。
丈之助はふと「お餞別」といい、新聞広告に載せる一文を万太郎に送りました。その内容は「植物を送ってくれたらその名前を教えます」というもの、新聞は全国を網羅しており、皆が勝手に標本を送ってくれるので万太郎の研究に事欠かないだろうという彼のアイデアでした。
丈之助はかねてより懇意にしていた女性を身請けし所帯を持つことになったので十徳長屋を出る事になっていました。この「お餞別」は離れてしまうが才能のある万太郎がこのまま在野に埋もれる事の無いようにという彼の心遣いなのでした。
そして、福治(池田鉄洋)一家にも変化が。ゆう(山谷花純)と福治は晴れて結ばれ、娘の小春(山本花帆)が女中奉公に出ることになりました。それに合わせて彼らも十徳長屋を出る事になったのです。
さらに運送の仕事が決まった倉木(大東駿介)一家は鉄道近くの社員寮へ越すことになりました。皆それぞれに新しい門出を迎え、十徳長屋には九兵衛(住田隆)と槙野家だけになり長屋は少し寂しくなったのでした。
それから三年の月日は流れ、千歳は4歳、百喜は2歳、そしてさらに寿恵子のお腹にはもう一人赤ちゃんがいました。
いつものように寿恵子が家事をこなしていると、波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)が来訪、二人は相変わらず子供たちを可愛がってくれます。
そこに万太郎が現れて全国から送られてきた植物を二人に披露します。皆が去った後の十徳長屋の一部を植物の保管庫としていた万太郎、大学にいた頃より充実した資料に囲まれ始めるという幸運に恵まれていたのです。
波多野と藤丸が訪れたのは、大学がだした図鑑の続編を手渡すためでした。藤丸の変形菌の論文も発表されそれぞれに結果が出始めましたが、現在の田邊教授は今一つでした。
なぜなら田邊教授は女学校以外に東京盲学校の校長も兼任するなどさらに忙しい日々、大学に来ても評議会に参加するだけで植物学教室によることもできなくなっていました。
藤丸が変形菌の論文を持って大学を卒業できたと発表したと同じころ、十徳長屋には見慣れぬ男の姿が、それは借金取りの磯部(六平直政)でした。
前回:らんまん第95話「研究は逃げない」
次回:らんまん第97話「寿恵子の話術」
らんまん第96話ネットの反応「十徳長屋大団円(完)って感じ」
でもみんなして車座でご飯とかはもう見られないのね…。
お盆だから?(●´艸`)
「俺、越すからさ。置き土産」
講師の仕事が決まり妻を迎え部屋を出る丈之助が、新聞広告に出したらと渡してくれた紙。
「槙野を大きく育てることになるだろう」と万之助を想う一遍の小説のような文字が並んでいる。
らんまん第96話ネタバレ感想考察「丈之助さんは早稲田大学の講師から教授に」
楽しかった十徳長屋が急に静かになってしまいましたね。かわいい子供たちやムードメーカーの丈之助さんがいなくなったことで一気に寂しくなりました。
丈之助さんはモデルの坪内逍遥と同じように講師の仕事を得ることになりました。講師とだけ作中に言われていますがその学校は「東京専門学校」、いまの早稲田大学の講師なのです。しかも講師から教授に上がっています。
実は丈之助さんは、田邊教授と同じ地位にまで上がる人物なんですね。
高学歴で教壇に立つ人物であるからこそ丈之助さんは田邊教授のやり方にとてつもなく腹を立てていて、飄々とした性格だからそれを気取られないように、「お餞別」の形で万太郎を支援したのかもしれません。
そう考えるとこの「お餞別」の見方がかなり変わりますね。
次回からはとうとう借金で火の車状態な槙野家のエピソードが始まります。借金取りとの攻防も史実の通り、寿恵子さんが苦しい顔をするようになったら見れなくなります。どのように展開するか楽しみですね。
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