前回、舞(浅田芭路)は父・浩太(高橋克典)の夢が飛行機づくりであったことを知ります。しかし、家の事情で工場を継いだこと、そして工場の仕事が今一つうまくいっていないことを知ります。
舞は幼馴染・貴司(齋藤絢永)に誘われ古本屋「デラシネ」で模型飛行機づくりの本を買い、完成させて父を励ましたいと思うのでした。
舞いあがれ!第13話ネタバレ、あらすじ
前回、父・浩太(高橋克典)の会社の大口取引先が、商品が使えても傷が多い、値下げをしない、を理由に取引を切り、岩倉家は窮地に追い込まれました。
舞(浅田芭路)は父を励まそうと、古本屋「デラシネ」で模型飛行機の本を買い、入り浸って模型飛行機を作り始めています。
同じようにデラシネの主人・八木(又吉直樹)の詩に魅せられた幼馴染・貴司(齋藤絢永)も一緒に居ました。貴司は八木に、「詩書くのは楽しい?」と聞くと八木は意外にも「しんどい」と言います。
なぜ書くのかと聞くと八木は「生きていくいうのは大勢で船に乗って旅をするようなもんや。みんなが船の上でパーティしてるときおっちゃんは息苦しなる。それで冷たい海ぃ飛び込む。底へ底へ潜っていってそこに咲いてる花必死でつかみ取って、船の上へ戻ってくる。そしたらしばらくは息出来んねん。その花が詩ぃや」
八木の話を舞と貴司は真剣に聞きました。よくわからなくてもとても大切なことに思えたのです。
真剣に聞くあまり舞は模型飛行機の材料を焦がしてしまうのでした。
舞は母・めぐみ(永作博美)と洗濯物をたたみながら針金ハンガーを手にしていました。竹ひごもこのくらい柔らかかったらいいのに、と悩む舞にお父ちゃんに相談したら?とめぐみは言います。
一方父・浩太は何度も取引先に足を運んでいました。何度来られても取引は復活できないと相手の課長は断ります。ずっと懇意にしている工場があって、岩倉さんのところに仕事を回すということはその工場の仕事を奪うことだ、という言い分はもっともでした。
新しい器材があるわけでもない、特殊な技術があるわけでもない父の工場に、取引先としては頼む義理もないのでした。それでも仕事を回すのであれば個人的な癒着なのです。
浩太は家に帰ってめぐみに、現状では悠人(海老塚幸穏)を私立に行かせることは厳しいのではないかと伝えました。
それはわかるけど、ずっと頑張っている息子をなんとかならへんかなとめぐみは天を仰ぎます。息子に言わなければ、と思う浩太、そこへ悠人がやってきます。
浩太は意を決して今工場の経営が大変になっていること、公立の学校で頑張れんかと告げます。
悠人はなんでいまさらそんなこと言うねん、僕には計画があんねん、ええ中学行って勉強頑張って、東大に入るんや!触れようとする母の手を遮って吐き捨てると悠人は2階に逃げます。それは当然の反応でした。
ベッドで横になる悠人にめぐみは話しかけます。
「悠人だったら、公立からでも東大に行けると思うねんけど。まだ受験でき編と決まったわけではない。お父ちゃんも頑張ってくれている。悠人を応援してるねん。せやから悠人は今まで通り頑張ってたらええの」
悠人からの返答はありませんでした。
父・浩太は隣家のお好み焼き屋「うめづ」で珍しく酒を煽りました。もうだめかもしれない、仕事あらへんねんという浩太に貴司の父であり店主の勝(山口智充)は驚きます。
同じく貴司の母である雪乃(くわばたりえ)も無言で聞いています。
もっといろんなとこから仕事受けとくんだったと後悔する浩太、しかし小さな工場では受ける仕事にも限界があるのです。
いろんな人に頭を下げ、力を尽くして工場をつぶすのであれば、自分は何のために飛行機づくりをあきらめたのだという独白に夫婦は心をえぐられる思いでした。
しかし勝はいいます。自分は浩太が工場を継いだ時嬉しかったと。自分も浩太も頼りない二代目だけどそばにいたら心強いやんかという言葉に浩太は涙ぐみますが、照れ隠しで気色悪いこと言うてる、と言い、雪乃もサブいぼが出たわと和ませます。
二人の精いっぱいの慰めでした。浩太はまだ折れるわけにはいきません。
家に帰り、倉庫に佇む父に舞が話しかけます。舞は相談があると父を待っていました。浩太はそんな心境ではありませんでしたが微笑んでええよと舞を呼び寄せました。
竹ひごがうまく曲驚きますと言われ、それがすぐ模型飛行機の骨組みだと気づきます。ろうそくの火で曲げようとしたら真っ黒こげだという舞にとっておきの技を教えてやろか、とすぐに実践してやります。
缶詰のような金属の中にろうそくの火をともし、金属を介して竹ひごに熱を充てると、竹ひごは焦げることなくきれいに曲がりました。
翼の形になった!と喜ぶ舞に、浩太は今度こそ遊園地に行こうと誘い舞はさらに飛び上がります。
舞は浩太と二人で念願の遊園地に行けました。そこで祖父の話を聞きます。祖父もまた仕事仕事の人間でしたが遊園地にきたらよく遊んでくれたと。周りと見渡すと、飛行機を模した遊具がありました。二人は駆けだして楽しむのでした。
悠人にも声を掛けたようでしたが悠人は先日のことがあってかきませんでした。
高台で夕方前の空と景色を眺めながら、あっちが東大阪やと教えると舞はきらきらしていると言いました。今東大阪の工場で苦境に立たされている父・浩太、しかし純粋な舞を見ればあきらめるわけにはいかない、と思うのでした。
翌日、浩太はまた取引先に行きました。課長(森本竜一)は昼休みでお弁当を食べてい休憩中、あなたもしつこいなあという課長に、浩太が何度も訪れていることを知る部下の社員・真鍋(石田直也)が助け舟を出します。
特殊ネジの試作の案件があるというのです。しかしどこに頼んでも断られているという非常に厄介なもので、規格品しかやっていない浩太の工場では無理ではないかと森本は思っていたのです。
浩太は図面を見てやります!と答え工場に仕事を持って帰ります。笠巻(古舘寛治)は3週間という納期にこれは無理やひと月半の案件やと言います。せやから受ける会社がなかったと、これが起死回生の一手だから頼むと言いますが、そもそも金型を作ってくれる会社がないだろうと渋い顔をします。
父が何となく大変そうだと察する舞は少しずつも模型飛行機を作っていくのでした。
舞いあがれ!第13話の反応「逃げない父、描写の一つ一つが細かい」
会社も大変で
頑張ってる息子を私立へ行かせてやれないという情けない気分の中
舞のお願いを優しく笑顔で聞く
怒鳴ったり「今それどころじゃない」とか「後でな」とか「お母ちゃんに聞いて」とか言って逃げない父親
優しさしかないよね
舞いあがれ!第13話感想考察「置き去りにされているけど悠人の心情を察するに余りある」
東大阪に戻って早々、舞の父・浩太にピンチが訪れました。主人公の家が事業を営んでいる、町の小さな工場、とくれば朝ドラの展開上やはり経営難というアクシデントが定番です。
飛行機の製造に携わることを夢見ていましたが、親の工場を継ぐことになり手を引いた挙句、経営難に陥り自分の息子の進学にまで影響がでるなんて忸怩たる思いでしょう。そこで大暴れしないところがこのお父ちゃんです。ほかのドラマのダメおやじなら荒れに荒れてますね。
そういう描写がないところが舞いあがれ!のいいところです。
お父ちゃんと舞にスポットが当たっているので、悠人の描写が少ないですが、中学受験のこの時期に「公立へ行け」は死刑宣告にも近いものです。中学受験は夏期講習の頃に成績に変動が出るものですが、夏を控えたこの時期に辞めろは、今後の受験に影響します。
お兄ちゃんも意地張って…と舞が言っていましたが、いじけているというよりは打ちひしがれているのかもしれません。
人物紹介で斜に構えた性格だと、評されていた悠人ですが、ナイーブになりやすい時期に受験できないかもという不安定なものにさらされればそういう人格が形成されていってもやむ無しかもしれません。
成長した後、悠人がどのように描写されるか気になりますね。
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