らんまん第108話ネタバレ感想「縁が実を結ぶとき」

らんまん

前回、東大植物学教室に助手として復帰した万太郎(神木隆之介)は新しい研究方法についていけず非職になった大窪(今野浩喜)を悲哀をみるのでした。一方で寿恵子(浜辺美波)がつないだ縁が万太郎を新天地に導くのです。

らんまん第108話ネタバレ感想「縁が実を結ぶとき」

前回、大窪(今野浩喜)が事実上の戦力外通告を受けて非職となったことに衝撃を受けた万太郎(神木隆之介)、自分の研究手法が古いと焦っているだけではいられなくなっていました。
大窪が去り、新たな助教授となったのはかつて植物学教室の一学生だった細田(渋谷謙人)です。彼はドイツ留学から最新の研究方法を持って戻ってきていました。

万太郎にとって、古巣であり波多野(前原滉)や野宮(亀田佳明)と知り合いといっても彼らも顕微鏡の中の研究をものにしていました。完全に標本つくり要員としてよばれたのだと察し失意に沈むのでした。

一方、そんな万太郎を救うように次々と縁をつないでいく寿恵子(浜辺美波)は、三菱財閥の岩崎弥之助(皆川猿時)や陸軍大佐・恩田(近藤公園)とも良好な関係を築いていくのです。
悶々と過ごしていた万太郎にある日細田が声を掛けます。教授室に呼ばれていくと、そこには徳永教授(田中哲司)だけでなく博物館の里中(いとうせいこう)と陸軍大佐の恩田の姿が。
陸軍と縁を持ったことのない万太郎が驚いていると里中が、今度台湾の土地、風土、人々について調査することになった。その植物学の調査員として万太郎を指名すると告げたのです。
徳永教授の口から「岩崎さんからも指名があった」と聞いて細田はなぜだと驚きます。ノジギクの件で縁をつなぎいくらか援助してもらったというとますます細田は問い詰めようとします。岩崎家は今に続く三菱財閥創業家、そんなVIPと在野の植物学者となった万太郎がつながるなど細田にはわからないことでした。
里中が仲裁し、出発日は7月6日だと告げます。万太郎は現地の言葉を学ぶ時間がないと言い、あまりに空気を読まない発言に徳永教授もあわてて諫めます。あそこはすでに日本の領土、すべて日本語でやる通訳もいると恩田は言いました。
万太郎からすれば地域によって植物の呼び名が違うなど研究に差しさわりがあると伝えたいのですが、国の高官にそんなことが通じるはずもありません。恩田は安全のためにピストルの購入を勧め万太郎はさらに難色を示しました。
はっきりしない万太郎に苛立った恩田は徳永教授に「彼は本当に東京大学の学者か!」と叫び、この調査は国力増強のためのもので、一学者の研究心の為にやるものではない、しっかり調査してくださいと肩をたたくのでした。

恩田が去った後、一抹の不安を感じたのか功名心なのか細田はやはり槙野は使えません自分が行きますと言い、制するように里中が口を開きます。
「槙野君、世の中が変わったね。戦争に潤る好景気、研究予算が増えるのはありがたいが、その分、国のために働けと言われ続ける。どうする?槙野君。降りてもいいよ。そしたら別の人間を派遣せざるを得ないが…だが私は君を選びたい。どうかね?」
植物に真摯に挑む万太郎を長年見ていた里中の言葉でした。学歴が無いゆえに芽がでない万太郎をどうにかしてやりたいと言う心意気を、自分の研究のポリシーだけで無碍にする年齢ではなくなった万太郎はお引き受けいたします、と返すのでした。
里中が去ると徳永教授はこう言いました。
「槙野、これだけは言っておく。今軍人には決して逆らうな。お前はもう個人じゃない。帝国大学、国家の機関に属する人間なんだ」
「本当に自覚しろよ。ようはうまいこと調査して成果をあげろということだからな」
細田の忠告に、細田さん私はいつも通り…というと細田はとても難しい顔で続けます。
「お前は知らないんだ。留学先で日本人がどれほどみじめか。国が力をつけて初めて俺たちの立場も変わるんだ!」
細田は功名心ではなく、この後に続く研究者たちの為には国に協力し国を強くするしかない、どこかに所属するという意義に希薄な万太郎ではうまくできないと案じていたのです。

重い足取りで研究室に戻ると波多野(前原滉)と野宮(亀田佳明)が銀杏の青い実をひとつずつ解体していました。匂いのない今ならまだましだと笑う二人、彼らはもう3年もイチョウの研究をしていました。イチョウには雄の木と雌の木があり、雄の木から飛んだ花粉が受精することなどを調べていました。それはまさに顕微鏡の奥を見ないとわからないドラマです。
銀杏をひとつづつ吟味しながら「昔懐中時計を分解したことを思い出す」と波多野が笑うと、万太郎も子供時代やったと笑います。波多野は1分時をつかさどる仕組みが知りたかったといい、万太郎は感心して自分はただどうして動くか不思議で解体したと返し、藤丸もやったかなぁと言い合いました。
野宮は「藤丸さんはずっと眺め続けてそうだ」というともっともだとまた笑い合うのでした。波多野と野宮との時間は万太郎にとって本当にかけがえのないものになっていました。

大学の帰り、万太郎は早速台湾語の書籍を買い求め、子供たちの面倒をみながら寿恵子の帰りを待ちました。帰宅した寿恵子に台湾行きとピストルの購入を勧められたと話し、国益のために行かなけらばならないがピストルは持って行かないと伝えました。寿恵子は万太郎の性格を察し止めることはせず、ピストルの代わりに「日本植物志図譜」を渡したのでした。

明治29年万太郎は台湾に旅立ちました。神戸から三日間の船旅、今では考えられないくらい時間がかかる日程、見るものはすべて目新しい世界が広がています。
基隆の港につくと台湾総督府役人(相楽孝仁)が、案内役の陳志朋(朝井大智)を連れてきました。台湾語で万太郎が挨拶すると、役人は日本語で話してくださいと焦ります。台湾の近代化の為共通語として日本語を浸透させる役割があるのだという役人、万太郎は話しても無駄と悟ったのか素直に従い、貴重品とピストルは全部自分で持ってくれという忠告も受け入れました。
しかし役人が去った後はこっそり陳に台湾語で話しかけると彼もまた台湾語で返し「自分の名前は、ダァン・ジーミンです」と教えてくれたのです。
早速行きましょうと二人は出かけましたが、万太郎の背を見るジーミンの表情は少し険しかったのでした。

29年前回:らんまん第107話「目まぐるしい変転」
次回:らんまん第109話「若木の成長」

らんまん第108話ネットの反応「里中先生が現実を教えてくれる」

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「らんまん」日清戦争の最中だったのね。台湾が割譲されました。世界に肩を並べ、目障りなのはフランス、ドイツ特にロシア、舐められてたまるか〜。お座敷での会話。陸軍の命令の元、大学は牧野を台湾に派遣し、学術調査団の名目で台湾の植物調査。つまり国力増強の調査だそうだ。国の為に働け!だ。
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#朝ドラらんまん の主人公の妻、すえちゃんの荒れた手に内助の功を感じる細かな演出。偉人とよばれる人には、いつだって陰で支える人がいるんだな。

だから「お陰様で…」って言葉がうまれたんだな…。

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らんまん今週つらすぎ…推しの徳永教授がドイツでいじめられて大和魂を捨てユーシーの悪いとこだけ引き継いだクソ教授になってしもた😭そして国家にひれ伏す姿勢がダサすぎぃ😭ユーシーだったら絶対あんなことにならないじゃん😭😭😭😭
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台湾は、今でこそ親日で日本人大好きで凄く優しいけれど
この当時は、日本人=侵略者だからね
学校を作り無理やり日本語を話すように教育され反感もあっただろうしね
ただ、学校が出来たことで平等に教育を受けれて
通学のために道が整備され台湾が発展していくんだけどね
#朝ドラらんまん #らんまん
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「槙野君、世の中が変わったね…」
里中先生…万さんに言ってるけど
徳永教授や細田助教授がいる前で言ってることに凄く意味があるような気がした
#朝ドラらんまん
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佑一郎も話してたよね
外国での差別…
それを実際体験したことのない万太郎には見えないものなんだろうね
苦労してるようで、万太郎は周りに助けられて温室育ちだからね
#朝ドラらんまん #らんまん
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『らんまん』の台湾人通訳、陳志明さん。総督府職員名簿とかでも引っかかってこないので、たぶん架空の人物?
総督府で通訳として働くだけあって、この時期でも既に辮髪を切っていますね。
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さすが『らんまん』、ここへ来て学問の自由と国益の関係をぶっ込んできた。しかも以前、わりと唐突に語られたアメリカの南北戦争の話が、台湾統治の話につなげることで伏線になっていたという。番組終了近くにしれっと忍ばせてくるところも含めて、やっぱり今のNHKドラマ部は信用できる。
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『らんまん』
波多野さんと野宮さんと万太郎のワイワイがスローなのが意味深というか。
なまじ政界にも近いし時局が不穏だしで、ああやって並んで顕微鏡を覗いた日々が思い出になる前フリに見えるんだよなぁ。 回想に使うんだよねあれ。 うーん不穏。

らんまん第22週まとめはこちら

らんまん第108話ネタバレ感想考察「陳志明役の朝井大智さん、先祖と同じく日本と敵対する展開か」

今回、里中先生と岩崎弥之助さんの推薦で台湾調査団の一員として随行することが決まりました。植物しか触らなくてもお寿恵ちゃんのおかげでどんどん幅が広まる万太郎ですが、自分は植物と向き合いたいという信念を突き通そうとする姿にやきもきしてみてしまいました。
昔と違い、一同そう思ったら突き通そうとするのではなく、諭されたらそれに従うようになったのは万太郎の成長でしょうか。
国益を兼ねた調査と自分のポリシーで調査しようとする万太郎は、ドイツで苦渋を舐めてきた徳永教授や細田助教授にとっては、ただの温室育ちにしか見えないのかもしれません。やはり槙野ではだめですと言い切った細田の気持ちもちょっとわかりますね。
里中先生は万太郎のポリシーを理解し、諭す姿はさすが年の功、万太郎がいきなり方向転換するのもおかしな話でうまい具合に里中先生をいれてきたなぁと思いました。

案内人・陳志明役の朝井大智さんは台湾五大家族のご子孫

さて今回は、台湾現地の随行員として朝井大智さんが「陳志明」役で出てきましたね。この朝井大智さんは台湾五大家族の一つ、霧峰林家(むほうりんけ)のご子孫であると話題になっています。
太平天国の乱や戴潮春の乱の鎮圧に活躍したとあり台湾史のおいてかなり重要な役割をなさった一族です。ただこの霧峰林家は台湾民主国に参加し日本軍に敗れて福建省に逃れたとあり、今回の最後の不穏な表情はひょっとして、台湾民主国に参加した先祖を踏襲した展開を演じられる…?と邪推してしまいますね。
らんまんでは本筋意外にも随所に見どころがあるのでまた明日までわくわくしてまってしまいます。

次回:らんまん第109話「若木の成長」

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