前回、西村寿恵子(浜辺美波)は意を決して鹿鳴館に行きたいと母・まつ(牧瀬里穂)に伝えましたが、まつには父が生きていたらそのようなことは許さないと言い反目、そして万太郎(神木隆之介)は一生懸命植物学教室で学ぶほど反感を買い孤立していくのでした。
らんまん第37話ネタバレ感想「学歴のよそ者」
前回、西村寿恵子(浜辺美波)は新しいことへの好奇心が抑えられず鹿鳴館に行きたいと母・まつ(牧瀬里穂)に伝えるのですが、父を引き合いに出され頓挫してしましました。
一方、植物学教室に通うことができた万太郎(神木隆之介)でしたが田邊教授(要潤)に気に入られ非凡な才能を発揮すればするほど周囲から孤立しだしていました。
2年の藤丸次郎(前原瑞樹)と揉めた翌日、万太郎は朝早くから研究室で植物の標本を纏めていましたがそこに徳永助教授(田中哲司)と4年生の細田晃助(渋谷謙人)が訪れましたが「よそ者がいる」と言い万太郎を無視し出て行ってしまいます。また、3年の飯島悟(高橋里央)と柴豊隆(岸野健太)が海藻について会話しているところに万太郎が話しかけますが、ふたりも軽く返事をしていったあと去って行ってしまいます。万太郎は完全に嫌われていました。
憂鬱さを抱えて疲れ切っていたところに見慣れない男が入ってきました。植物学教室のお抱え画工・野宮朔太郎(亀田佳明)です。そのような職種があることすら知らなかった万太郎は感激して自分は植物の絵を描くことが好きだ、そのような仕事の方に会ったことは初めてだから少しだけ絵を見せてもらえないだろうかといいますが野宮は「できませんよ。だってあなたよそ者でしょう?」ときっぱり返してきて万太郎を愕然とさせるのでした。
一方、白梅堂では西村寿恵子(浜辺美波)が万太郎からもらった牡丹の絵を手にしていました。そこへ菓子職人の文太(池内万作)が現れその絵に興味を示します。絵を見た途端貸してくれと言い厨房にに持っていくのです。寿恵子は驚きながらも受け取ったかるやきを手にして万太郎が来ないかなとほほ笑むのでした。
前途多難な万太郎は気分転換と、これから世話になるからと十徳長屋の世話人・江口りん(安藤玉恵)を連れて洋食レストランに来ていました。高いんだろうと値段をきにするりんに万太郎はいいですき、と軽く返して二人は話しだします。
りんは、東大に行けてよかったね。中学も出ていない万太郎が東京大学にいけるねんてほら噺のようで愉快だ。うちらからすれば東大なんて雲の上の存在だよと笑いました。
万太郎は日本の植物学は遅れている学問を始める準備をしている最中だ。関心がある人間が集まって総がかりでやらないと海外に追いつけない、けれど現状志す人さえ現れないのだと嘆きます。りんは万太郎の話を聞きながら、そりゃそうだ、植物学なんて1円にもならなさそうだもんと返すのでした。
そこに料理が持ってこられ聞きなれた声に顔をあげるとそこには竹雄(志尊淳)の姿が。竹雄は節約しないといけないのに何でここにきてるのかなんてたしなめますが、来てしまったものは仕方ありません。遠慮しようとするりんに食べてくださいと微笑みます。
洋装の竹雄はかなり人気のようでお客の若い女性たちから黄色い声が上がるほどでした。レストランのボーイの仕事は竹雄にとっては転職のようです。
ステーキに舌鼓を打ち始める万太郎とりん、りんは万太郎が植物学教室でうまくいっていないのだと察していました。外からくる人間は怖いよ、まして玄関でなく縁側からいきなり入ってきたようなもんだろう?泥棒なのかお隣さんなのか福の神なのかわからないだろう?というりんの指摘は的確でした。
うちだってどくだみの件でみんなで大騒ぎしたからまんさんの人柄がわかってるけどわからないものは気味わるいよとスパッと言い切ります。
気味悪かったですか…とショックを受ける万太郎に、りんは笑いながら続けるのです。
「引っ越してきたとたん保護紙だ枯草だのでいっぱいにしてさ、その狸の巣穴みたいな部屋でまんさんニコニコしてるんだもの、こりゃ悪いひとじゃない、変わった人だってわかってよかったよ」
りんは屈託なく笑い続け、フォークとナイフが使いこなせないと、「たけちゃーんお箸頂戴」とレストランのルールも無視して大声で話しかけます。バックヤードから竹雄がかしこまりましたと微笑み持ってくると周囲の女性たちはボーイの名前が「たけちゃん」であることを知り沸くのでした。
作法も何もなく皿を持ち上げて肉にかぶりつくりん、それでも裏表なく食べるのも一苦労だねという姿に万太郎は楽しそうに笑うのでした。万太郎が何か一つ吹っ切れたきっかけでした。
白梅堂では万太郎のボタンの絵を持って行っていた文太が牡丹の葉を模した菓子を作り上げて寿恵子の元に持ってきました。美しい出来栄えを寿恵子は絶賛、これは看板商品になると喜びます。そこに店舗の暖簾の下に洋装の男性の足が見えました。万太郎かと思って話しかけに行った寿恵子でしたがそれまはったくの別人、最近めっきり来なくなった万太郎になにかあったのかと寿恵子はひとり案じてしたのでした。
夜、十徳長屋で竹雄は来るなら来ると言ってくださいよと言っていました。ボウイ姿の竹雄が見たかった、キランソウみたいだったと万太郎は言いキランソウの絵を見せます。ますます画力の上がる万太郎を絶賛する竹雄、しかし万太郎は万太郎で、女性たちから黄色い声が上がっていた竹雄は紫の花をつけ目立つキランソウのようだとからかうのです。しかし綾(佐久間由衣)という心に決めた人がいる綾に自分の絵を送りたいから書いてくれと竹雄は言い万太郎は筆を手に取ります。
「大学は、植物学を志す人があこがれた夢のような場所じゃ、けどのう寂しいがよ。佐川で一人でおったときよりのう」
万太郎のつぶやきを竹雄は心配そうに聞くのでした。
前回:らんまん第36話「前途多難」
次回:らんまん第38話「一つの興味」
らんまん第37話ネットの反応「竹雄の足!りんさんかっこいい!」
りんさん、孤立してる万太郎の現状を見事に看破!
“差配”として多くの人々に接して来たからこその観察眼ですね。
クサ長屋と同じように、植物学教室でも万太郎の人柄を理解してもらえるキッカケさえあれば…。
わかる、わかるよ
みんな待ってた、竹雄くんの洋装
体の半分以上が足
大事なことだからもう1度言います
体の半分以上が足
・徳永助教授と細田にガン無視される
・徳永助教授に「よそ者がいる」と言われる
・廊下の学生にスルーされる
・画工の野宮に「よそ者には絵は見せられない」と言われる
転校生や、中途採用された人をいじめる人達と一緒だな。嫌な感じー
画工の野々宮さんはもちろん貰ってやってるんだよね…?
竹雄どう応える
らんまん第37話ネタバレ感想考察「画工野宮朔太郎のモデルはイチョウの精子発見の植物学者・平瀬作五郎か」
今回の万太郎は初めてひとから明確な悪意を向けられてへこんでいるといった回でしたね。今までは万太郎がなにかしても、あぁ…(苦笑)&引くくらいの感じでしたが、今回植物学教室でとられた態度は明確な無視、邪魔者、よそ者扱いでした。これまで無邪気に万太郎が踏みにじってきたことがまさに自分に返ってき始めた感があります。
新しく登場した画工の野宮さんにすらあなたはよそ者でしょと言われるなどかなりの辛辣っぷりです。野宮さんよりうまいかもと学生たちが前回いってましたが、その話がもう野宮さんにも行っていたのかもしれません。
その野宮さんですが、モデルは植物学者平瀬作五郎ではないかと考えられます。平瀬作五郎は東大を出た人間ではありませんが、福井藩士の子として生まれ、福井藩中学校(現:福井県立藤島高校)で油絵を学び、図画版教授助手、岐阜県でも中学校図画教授方として働いています。今でいう美術の先生でしょうか。
後東京で油絵を学んだあと、東大の植物学教室の画工として勤務その後技手となっています。画工として働くうち植物学を学びだし同植物学教室の池野成一郎の手を借りてイチョウの精子を発見、その後教職に就き研究を離れていましたが帝国学士院恩賜賞を受賞するなど輝かしい経歴を残すに至ります。これは学歴のない平瀬がもらえるものではなかったそうですが、池野成一郎が「平瀬がもらわないなら私も断る」といったため二人同時に受賞となりました。
かれは牧野富太郎よりは学歴がありますが、やはり東大まで進んでいなかったことは彼は一つ下に見られていたということでしょう。
イチョウの精子の発見は世界初の裸子植物における精子の発見であり、池野成一郎が発見したソテツの精子の発見と合わせて日本人による植物学への最も輝かしい貢献とされるなど、帝国学士院恩賜賞を受賞するに十分な功績でした。
まだちょい役のような扱いですがこれからどんどん出番が増えていきそうな野宮さん、注目ですね。
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