前回、東京に来て早々都会の洗礼を受けてしまった万太郎(神木隆之介)と竹雄(志尊淳)、万太郎にとって命より大切な新種かもしれない植物を数々をいれたトランクが盗まれてしまいました。トランクを取り返すも中身がない…その中身を求めて草長屋にたどり着くのでした。
らんまん第28話ネタバレ、感想「草長屋」
前回、倉木隼人(大東駿介)に盗まれたトランクを売却される寸でで取り返した万太郎(神木隆之介)と竹雄(志尊淳)、しかしその中身がありませんでした。トランクを質屋に持ってきた女・えい(成海璃子)を追って草長屋にたどり着くと、今まさにトランクの中身の標本たちが火にくべられようとしていたのでした。
慌てて止めに入ると大切なものなら買い取れという倉木、自分が盗んだものなのに何を言う、巡査に突き出すと激昂する竹雄でしたがその前に燃やすとばかりに倉木には躊躇がありません。
30出せという倉木に万太郎は100出す、しかし紙はいいが植物が一つでもかけたり傷ついたら金は払わんと応酬する二人を草長屋の住人たちが固唾をのんで覗き始めています。
その標本はこれから金1000にもなるだろう、しかしまだその価値を見なしらん、今はそれに金を出すのはわしだけ、おとなしく返せと言う万太郎に倉木は動じることなく金が先だ金を先に出せと引きません。万太郎は標本を確認しなければならないので標本が先だとこちらも引かず。倉木はこともなげに標本を火にくべようとし、万太郎は見くびるなと激昂します。
「その標本は自分にとって命そのもの、金は出すと言うたら出す、しかし一枚でも欠けたらださない。返しや!!」
万太郎の言葉に竹雄も驚きます。こんなに激しい万太郎は見たことがなかったのです。倉木はようやく手放し万太郎は急いで確認します。竹雄は竹雄で100という金額が法外すぎて切れます。大体お前がとったもの、牛鍋屋でずっと俺らのことを見ていただろうと詰め寄りますが、倉木は俺は拾っただけ。とったとこなんてみてねーだろと悪びれもしません。
とうとう竹雄が胸倉をつかんだところに倉木の妻・えい(成海璃子)が割って入りました。質屋で万太郎らと鉢合わせしたこと、そのトランクは博打で買って得たものだと言ったではないかと言い、娘の倉木かの(鈴木凛子)もお父ちゃんは盗人なの?と悲しげな顔を見せるのです。
その時長屋の一部屋から子供の泣き声が聞こえます。倉木らの子どもが高熱でうなされいたのです。医者に見せる金がないから寝かせるしかないというえいに金は自分が出すから医者を呼べと万太郎は言います。
倉木の長屋ではまだ幼子の倉木健作(渋谷そらじ)が顔を真っ赤にして寝込んでいます。住人の及川福治(池田鉄平)と及川小春(山本花帆)の父子が急いで冷たい水を用意し、同じく長屋の住人・牛久亭九兵衛(住田隆)、堀井丈之助(山脇辰哉)、宇佐美ゆう(山谷花純)らも協力します。
熱性の病は肺が悪いと言われと首と脇を冷やすと楽になる、自分の経験からてきぱきと指示をだし、尚且つ自分が使っていた熱さましの薬もえいに手渡しひと段落したところに医者(酒井康行)を連れた倉木が戻ってきます。
万太郎の手際に長屋の住人達は誉めそやし一緒に食事をとることになりました。万太郎らに詫びも礼も言わない倉木隼人をえいは咎めますが、隼人は何も言わずに去ってしましました。
住人の一人牛久亭九兵衛(住田隆)はあの家には貧乏神がついている、宇佐美ゆう(山谷花純)は亭主が働かないからだと言い、堀井丈之助(山脇辰哉)は彼はおそらく御家人崩れ、背中に刀傷があるのを見たことがある、言いました。
予想では幕臣であり上野での新政府軍との戦いで背中に傷を負ったのだろうと予想されました。東京でも新政府との入れ替わりで佐川とは比べ物にならない騒乱があったのでした。武家の倉木は時代の変化に耐えられず博打に逃げているのでしょう。
その日は結局丈之助の部屋に世話になった万太郎たちは朝を迎えます。そこに十徳長屋(草長屋)の差配・江口りん(安藤玉恵)が自分の店子が世話になったと礼を言いに来ました。そして部屋が空いていると話すと万太郎の目が輝きます。ここに住みたい!と言い出しりんを驚かせるのでした。
前回:らんまん第27話「トランク盗まれる」
次回:らんまん第29話「東京での新生活」
らんまん第28話ネットの反応「長屋の人たち好きになった」
万太郎の標本を守りたくて
箱入り息子が見せた本気の顔。
自分と重ね合わせた男の子への優しさ。
万太郎やるじゃか!
私は嬉しい
ドクダミ長屋編面白くなる
バイカオウレンの刺繍だ
トランクのイニシャルもこれも
刺繍してくれたの、綾お姉ちゃんかな
15分でこの草長屋が好きになれる脚本家の筆力。
万太郎の行動だけでなく表情の変化にも、一晩で彼らに受け入れられる魅力と説得力がある。
そりゃあみんな好きになっちゃうよこの若を。
らんまん第28話ネタバレ感想考察「佑一郎と倉木隼人の落差がすごい前回佑一郎を出したのはこのためか」
今回のお話は脚本家さんの腕が唸っていましたね。たった15分の間に長屋の人たちを大好きになりましたし、ただのチンピラ風情だった隼人が御家人崩れである、背中に大きな刀傷があった、上野では多く死んだという住人のセリフから、幕末までは幕臣であり、彰義隊として上野戦争に参加したことが予想されました。
この上野戦争は戊辰戦争の中でも一日足らずで終了したこともありあまり目立ちませんが、長州藩の名軍師・大村益次郎が参戦したこと、彰義隊側としては渋沢栄一の従弟・渋沢成一郎が司令官の一人として参戦したことでも有名です。
多くの幕臣が薩長を賊軍といい参戦しましたが、時代遅れの武士道と武器では最新のアームストロング砲の前にはなすすべがありませんでした。また討幕をしてきた薩長とは違い士気が不足しており、司令官の一人・天野八郎が号令し階段を駆け上がり敵に突っ込んだが後ろを見るとだれ一人味方がいなかったと後年語っていることから、プライドだけで実が伴わない組織であったようです。
それに隼人が参戦したというなら幕臣としてのプライドはズタズタでしょうし、彰義隊は遺体の処理すら止めらえたという記述もありますから戦友たちの遺体を見ながら心も体も時代に取り残された感はあったでしょう。こう考えると隼人のあのやさぐれた態度も無理からぬものがあります。
一方、同じ武家の子であった万太郎の友・広瀬佑一郎(中村蒼)との落差がすごいのです。前回再会した佑一郎は、男爵にまで登りつめた高知の維新志士の甥でした。叔父に扶養され、北海道の農学校を出て工部省に入省、まさに輝かしいエリート人生の始まりです。
そのエリートを見た後に敗れた隼人に会う…住むはずだった佑一郎の叔父の家を出て、敗れた隼人と同じ長屋に住む…前回佑一郎と再会させたのはこのためか!と気づきこの落差が本当に何とも言えず脚本の妙を感じざるを得ません。たかが15分、されど15分今回は何かすごいものをみた気がします。次回も果然楽しみになってきました。
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