らんまん第90話ネタバレ感想「二つの喪失の先に」

らんまん

前回、東京と高知、二つの槙野家は互いに大切なものを失おうとしていました。目の中にいれても痛くないほどの掌中の珠である園子、そして心の底から大事に扱っていた峰屋という存在、失うにはあまりに大きなものでした。

らんまん第90話ネタバレ感想「二つの喪失の先に」

前回、国内での研究を断たれた万太郎(神木隆之介)はロシアのマキシモヴィッチ博士の元に行こうと計画しました。そしてその渡航費用をどうにか峰屋に捻出してもらおうと考えるのでした。
しかしその頃、峰屋では新たに製造した酒が火落ちという腐造を起こしてしまい、その年の酒が一切作れなくなってしまいました。仕込んだ時点で造石税は徴収される酒蔵の現状、売るものができないのに金をとられる事態になってしまった峰屋は絶体絶命、存続が危ぶまれていたのでした。
そうとはしらない東京の万太郎らにはさらに追い打ちが。前日まで元気だった園子が突如発熱、はしかかもしれないという医者の言葉に絶望がよぎります。

両親の願いむなしく、空が青く、ヒメスミレが咲く季節に園子は空に帰っていきました。発熱よりたった3日後のことで2歳になる直前、可愛い盛りの頃でした。

大きな喪失にさいなまれる万太郎と寿恵子(浜辺美波)の元に地方に行っていたまつ(牧瀬里穂)が駆けつけました。

高知ではやはり腐造の影響は計り知れず、税金を納めるために竹雄は高知の金貸しの間を奔走、利子の支払いの為に代々の土地と屋敷を売る事態になっていました。そこに、分家の豊治(菅原大吉)らが駆けつけます。

分家の三人に頭を下げ金銭の援助を申し入れますが、伸治(坂口涼太郎)は自分はただでさえ頭が抜けているから無理、一緒に沈むだけの船になってしまうと言い、紀平は土地と屋敷を売ればいくらか残るはず、それで二人でやっていけ、槙野の家がもろとも絶えるよりましだと諭しました。
そして豊治は綾に、「女子の身で蔵元になった。けど腐造は酒屋である限りおこること、自分たちでも起こったことだ。お前は殿様の酒蔵、峰屋のままで幕を引いた。ばあ様もご先祖様もさぞ喜んでいる」と涙を流しながら言うのでした。
豊治と紀平もまた失意のうちに去る中、伸治だけはその場に立ち尽くしました。お達者でと竹雄が告げると「おまんらがじゃろう!」とたまりかねたように二人の肩を抱きました。伸治もまた峰屋を助けることが出来ない自分をふがいなく感じていたのです。
綾と竹雄はタキの墓に詫びた後万太郎に会いに行くことにしました。初めて土佐を出ると呟く綾を竹雄は優しく見守るのでした。

東京では、万太郎と寿恵子が立ち直れずにいました。食が細くなりたけのこご飯にすれば食べれるかとあれこれ思案するまつに差配人のりん(安藤玉恵)も案じていました。悲しくても寿恵子のお腹には二人目の子がいるのです。その子まで死なせるわけにはいかない、と祖母らしく強く気持ちをもっていました。
長屋の皆も殊更心配し、食事を一緒にとり楽し気に騒いで二人の気持ちを少しでも上げようとしています。二人の表情は暗く、寿恵子は泣き暮らし万太郎は一心不乱にヒメスミレの絵を描いていました。
大量に描かれたヒメスミレの絵を燃やしそれが園子に届くように、燃え上がる煙を二人はただ眺めていました。

前回:らんまん第89話「課されるにはあまりに無残な試練」
次回:らんまん第91話「いつかその約束を胸に」

らんまん第90話ネットの反応「朝からあまりに辛すぎる」

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伸治。本家への嫌がらせで援助を断わったのではなく、自身への評価の低さからでもあった。本家がしっかりしていたから、分家メンバーもあれこれ不平・不満をぶつけることができたということか。
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朝からボロ泣き😭 #らんまん
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寿恵ちゃんが、おっかさんが駆けつけた途端にまた泣き出すところ‥‥こちらまで涙が出てしまう。

子をなくす辛さが伝わるし、おっかさんが来て張り詰めた心が一瞬ゆるむ感じもよく伝わってきてたまらなかった。

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7つまでは神の内、昔は油断できなかったのよね。。 #らんまん
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2回目のらんまんは竹雄と綾と伸治の3人芝居が泣ける。伸治だって峰屋で一緒に育った家族。「達者で」と言い合い姿でボロボロ涙が出る。
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女のせいで腐造が!って言われなくてよかった… #らんまん 追っかけ再生
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分家衆、伸治くんのシーンで涙腺ブワワってなった。
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らんまん、喪失vs喪失じゃん…

らんまん第18週まとめはこちら

らんまん第90話ネタバレ感想考察「峰屋のモデル岸屋は腐造でつぶれてはいない」

今回は園子の死亡と峰屋が潰れてしまうお話でした。
腐造でつぶれたと描かれる峰屋ですが実際の岸屋は牧野富太郎の度重なる資金援助により家が傾いて潰れています。
この頃の牧野富太郎は綾のモデルである猶と結婚しているものの東京で寿恵子のモデルである寿衛とねんごろになり子を設けていて、祖母にいい加減にしろと怒られているほどです。
猶が竹雄のモデル和之助と結婚したのは岸屋が潰れるとなったときの後始末の時でそれまで猶はひたすら金を送金するだけで耐えているといったポジションでした。
まさかそれを朝ドラでやるわけにはいかないのでだいぶマイルドになっています。

面白いことに、作中の綾は学校にも一切行っていない酒造りに興味がある女性とされていますが、モデルの猶は高等師範を卒業している才媛でした。
しかも憎い後妻となるはずの寿恵子や寿恵子の子らのこともあれこれ案じており援助をしたり、結婚式の面倒までみたともあります。これだけのことをしておいて牧野富太郎の自叙伝に猶の名がなかったのですからかなりのク〇な訳です。
されこれから峰屋というスポンサーがいなくなった万太郎夫妻、これからさらに苦難が襲い掛かります。次回からどうなるか見逃せません。

次回:らんまん第91話「いつかその約束を胸に」

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