前回、竹雄(志尊淳)や綾(佐久間由衣)、そして波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)を交えた屋台を囲む会は終始和やかでしたがその帰り道に万太郎(神木隆之介)は、波多野から聞かされた野宮(亀田佳明)の近況に驚くばかりでした。
らんまん第113話ネタバレ感想「野宮の肖像」
前回、上京してきた竹雄(志尊淳)や綾(佐久間由衣)、そして波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)を交えた宴会、終始舌鼓を打ち、再会や新しい出会いを喜ぶ場となりましたが、その帰り道万太郎(神木隆之介)は、波多野から聞かされた、イチョウの精虫発見後の野宮(亀田佳明)の近況に落胆することになります。
野宮は大学卒ではなく中学校教師で画工、それから東大の助手という経歴の持ち主でした。イチョウの精虫の発見は海外よりも国内で叩かれ、東大内では大卒の波多野が書かせたものだ、もしくは波多野に書き換えるように命令するなど大学内は野宮を庇うどころか阻害する場となっていました。
波多野もその学内の権力争いに抗いきれず、農科大学の教授になる話をうけることに、そして野宮は自分が身を引けばと大学に辞表を提出したというのです。輝かしい世界に誇る発見であるのに学歴が無いばかりに野宮が潰されようとしている、その事実に万太郎はひどく肩を落とすのでした。
一方、酒造りの夢をあきらめない綾と竹雄、二人は醸造の研究をしている学者を探していました。醸造は研究していないが菌類の研究がすきだという藤丸、3人はなぜ腐造が起こるのか、それを調べる仲間となったのです。
翌日、万太郎は早速植物学教室の野宮の元を訪れました。貴方は去るべき人ではない、と説得するも野宮の心は決まっていました。
彼は「生命の神秘はそこにあった。私はそれをただ見ただけですよ」と穏やかにいい、自分は田邊教授に引き抜かれてきただけ、本当なら田邊教授が非職となった時に去るべきだった、しかしあの時未練ができてしまったと遠くを見ます。
「生粋の語学の天才、若き学者が声を掛けてくれたから。君が見たいと思うものをわたしも見てみたかった」
そう語り、部屋の外にいた波多野に自分が描いた植物画を手渡しました。その表情はすべてを悟ったよう、波多野は涙します。
「ここまで連れてきてくれて、ありがとう」
波多野はその言葉に何かを言おうとしましたが、野宮は制するように、時々は目を休ませるんだよ、これ以上悪くしたらいけない、といい波多野に頭を下げさせることをさせませんでした。
「槙野さんもね、君は知らないでしょうが、おれが奮起できたのは君のおかげなんですよ」
そして東京を離れる前にお願いがある、と告げるのです。
野宮が東京を離れる数日前、彼は十徳長屋を訪れました。彼は「噂の狸御殿」と評される万太郎の家に遊びに来たかったのだと言います。
石版印刷機や山のような標本は、たしかに野宮の心をくすぐるものでした。いつでも来てくださいと笑う万太郎に「一番いい時に来た」と野宮。
それは槙野家に新たな子供が誕生し、まだ波多野も藤丸もあっていなかったからでした。
赤ん坊の名前は「千鶴」、可愛い女の子です。
野宮は、槙野一家の絵を描くことにしました。人物画は久々だと笑う野宮ですが万太郎は嬉しく微笑みました。
描きながら野宮は、昨日西洋絵画の研究会に挨拶してきたが面白い話を聞いたと言います。
西洋では石版印刷より新しい印刷が流行り始め、アルミニウムを板状にして石版の代わりに使う印刷方法だといいます。板状のアルミニウムは筆遣いをそのままに版下を作り、しかも軽いからどの印刷所にも持ち込める、しかも曲げることができる、版の印刷機に巻き付けて大量に刷れるというのです。
寿恵子は立ち上がって「それ!私が欲しいのはそれです!!」と叫びました。しかしそれは石版印刷機よりも高価だと予想し、千圓かかった石版印刷よりもたかく五千圓はするのではないかと考えると万太郎はとても手がでないと悩みます。
夜、綾お姉さまがお酒をあきらめてないのと一緒です。と寿恵子は諦めません。たくさん刷れて良い図鑑になると断言するのです。どんなに金銭的に苦しくても万太郎の夢をあきらめない寿恵子、万太郎のは得難い大切な存在でした。
そして寿恵子は、自分が事業を始めると宣言します。みえ叔母さんのように思い切りやってみたい、自分の力を試したい、冒険がしたいのだと続ける寿恵子。
万太郎は「牡丹の痣、光る珠、すえちゃんの心の中にあるがじゃのう」
寿恵子の心の中には八犬伝の剣士と同じ矜持がある、そう笑うのでした。
そして、万太郎は虎鉄(濱田龍臣)を伴いまた採集旅行に出かけました。今回の行き先は東北、長旅になりそうです。りん(安藤玉恵)がお餞別に干芋を渡してくれ、朝ご飯の一つに子供たちにも振舞ってくれました。
子供たちはそのまま学校へ行き、寿恵子は千鶴を抱いて渋谷に行くことにしました。
しかしりんは、あんなとこに子供をつれていくもんじゃない!と千鶴を抱きあげます。渋谷は今と違い、簡素な村で茶畑が広がる開発されていない地域だったのです。昔ながらの農村、驚くほど開発されていない地域を見渡し寿恵子は「ここが道玄坂…」とつぶやくのでした。
らんまん第113話ネットの反応「園ちゃんのヒメスミレ…」
世紀の新発見を世界が信用するに足らしめるのは、学歴と所属と実績。
発見するに至る教養を備えているか、設備がそろっているか、普段からその研究領域について意見交換している実績があるか、を、値踏みされるから…
新しい印刷機を買いたいと意気込む寿恵子に対して今は…と戸惑う万太郎。図鑑作りは万太郎以上に寿恵子の夢なんだね😌
#朝ドラらんまん
そうだよみんないつまでも同志だよ!また会いにきてほしい。
誰が評価してくれなくても、誰が認めてくれなくても、事実は昔から目の前に有り、そして発見を喜んでくれる仲間がいる😭
波多野くんと野宮さんにも物語があった
スピンオフ見たい
いやスピンオフ見たい人物が多すぎるのよ、らんまんは
らんまん第113話ネタバレ感想考察「波多野さん義兄が徳永教授だから野宮さんを守り切れず」
野宮さんと波多野さんの別れのシーン、目頭が熱くなるものがありましたね。史実の野宮(平瀬作五郎)と波多野(池野成一郎)も、同じようなエピソードがあり、平瀬が大学を去ることになりますが、池野は彼のこと忘れず、帝国学士恩賜賞受賞の際には、平瀬が受け取らないなら自分もいらないと言ったのはあまりにも有名ですね。
さて、ここでは描かれていませんが、波多野さんは大学や政府からの圧力に負けて野宮さんを守り切れず、自分は農科大学の教授の話を受けたというニュアンスの話がありましたね。
しかし、らんまんでは描かれていませんが、波多野さんのモデル池野成一郎の義兄は徳永教授のモデル松村教授なんですよね。
らんまんでは出ていない、妻のきくは、松村教授の妹に当たります。なので実は波多野さんはしっかり学内の権力の中にいたというわけです。
そもそも、イチョウの精虫の発表を防がれなかったのは、波多野さんがいたから、だったのかもしれません。握りつぶそうと思えば握りつぶせましたし、最初から波多野(池野)の発表にすることも可能だったでしょう。ある程度波多野(池野)さんの権力があったからこそできたのでは?と思います。
しかし悲しいかなそこまで、学内外の攻撃からは守り切ることができず、また野宮(平瀬)も自分を立てようとしてくれる波多野(池野)が孤立することを懸念して身を引いたのではないでしょうか。
そう考えるとまた二人の友情に駆け巡るものがありますね。
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