らんまん第87話ネタバレ感想「進退窮まる」

らんまん

前回、田邊教授(要潤)を怒らせてしまった万太郎(神木隆之介)は、完全に見放されたかたちになってしまいました。
周囲が庇えば庇うほど、万太郎が植物に関してひたむきな気持ちを伝えるほどそれは難しくなってしまうのです。十徳長屋への帰り道、万太郎の足取りは重く、迎えた妻・寿恵子(浜辺美波)に嘆きをぶつけるしかありませんでした。

らんまん第87話ネタバレ感想「進退窮まる」

前回、ムジナモの論文に田邊教授(要潤)の名前を載せなかったことで激怒させてしまった万太郎(神木隆之介)は植物学教室への出入りを禁じられ、さらに土佐で集めた500種類の標本を寄付するようにと言われてしまいます。
ムジナモは日本では新発見でしたがダーウィンの「InsectivorousPlant(インセクティヴォラス プランツ)にある Aldrovanda vesiculosa(アルドロバンダベシクローサ)」であると気づき指摘したのは田邊教授でした。そして論文を書けと後押ししてくれたのも田邊教授であり、東京大学植物学教室のたくさんの書籍や標本を使わせてくれたのも田邊教授であるのです。
万太郎にはそこに田邊教授への感謝として教授や東大との共著とするという気遣いや考えが浮かばず自分の名前のみで発表してしまったのでした。
完全に見放されてしまった万太郎は失意のうちに十徳長屋に戻ります。妻・寿恵子(浜辺美波)は万太郎はひたむきに頑張っていたのにと言い、本当に万太郎が憎いなら練習会にも家にも呼ばなかったはずだと慰めますが、万太郎にはいまだなぜ怒らせてしまったのか今一つわかっていないようでした。

東大は、田邊教授が懇意にしている森有礼(橋本さとし)の号令のもと、帝国理科大学と改称され、田邊教授が初代教頭に就任するなど学内での権勢はうなぎのぼり。
一方で、大窪(今野浩喜)や波多野(前原滉)、藤丸(前原瑞樹)などは万太郎のひたむきさを憐れみ、田邊教授への嘆願や論文の書き直しを確認するなど雑誌も刷りなおしにも協力しましたがそれが覆ることはなく窮地に追い込まれていくのでした。

研究の不自由はすぐに表れます。植物学教室にあった膨大な本の山、あそこには万太郎の研究に欠かせないものがたくさんありました。家の書籍では追いつかないのです。
焦る万太郎に寿恵子はタコの薄切りをいれて炊いた桜飯を用意し万太郎を元気づけようとあれこれ試作します。教授はきっと誤解をしているのだと背中をおすのでした。

万太郎はその日の夜教授の家を訪ね、森有礼(橋本さとし)とすれ違います。田邊教授によく学ぶようにと言い森が去ると万太郎と教授の二人きりになります。
田邊教授は二度と来るなと言い去ろうとしますが万太郎は追いすがり、植物学を日本に持ち帰ったのは田邊教授であり、田邊教授と共に歩みたいと懇願します。
しかし田邊教授は「わたしはもう持たざるものは数えない」と言いました。せっかく生きている、ならこの手に持つものを愛そうと思う、あいにく私は沢山のものを持っている。大学にも全国の同志から植物の標本が続々と届いている、日本の植物を網羅する日も近いと続けます。
万太郎は意図が分からず、自分は地位も学歴も何も持っていないと返すと「だから植物に愛されるのか。君はどこまでも人を傷つける」と言われ唖然とします。
田邊教授は万太郎からの発言に期待していないのか「自分も図鑑を作ることにした。大学の総力を挙げて日本の植物を網羅する図鑑を作る」と返し、万太郎の仕事とぶつかるから書籍も標本も貸せない、万太郎が図譜の発行をあきらめるなら考えてやってもいいといい家に戻っていってしまうのでした。
図譜の発刊は万太郎にとって植物学者として唯一の生命線でした。田邊教授は明確にそれを潰すと宣言したのです。

田邊教授はひとり、洋酒をあおっていました。いつも以上の酒量に妻の聡子(中田青渚)は止めに入りますが、これは祝杯だからもってこいと優しく言うのです。
そして自分の魂は自由になった、誰にも縛られないと語るのです。それはとても晴れ晴れとした表情でした。

万太郎は一人さ迷い歩き、明け方になってようやく戻ってきました。駄目であったとすぐに察した寿恵子は「万太郎さんは終わらない。おわるもんですか」と抱きしめます。
震える両親のそばで園子はヒメスミレを見つけます。
そんな姿を見てどんなときでも花は咲いている、そう万太郎は微笑むのでした。

前回:らんまん第86話「田邊教授、牙を剥く」
次回:らんまん第88話「一筋の光明」

らんまん第87話ネットの反応「植物が好きなもん同士ってそんな話じゃない」

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園ちゃんが良い仕事してる。万さんしばらく休むが良いよ。さすればやがて良い案が浮かぶであろう。 #らんまん
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田邊教授はそんな悪い人に思えないんだよな~小学校中退で東大の研究室に出入り出来てる万太郎の今までが恵まれてた。
本当の意味で、自分の力で植物の道に進むのはここからと思う。
寿恵子さんの作った桜飯美味しそう。
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「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」というのどかなオープニング曲にずっと違和感。言葉足らずは「私が言葉足らずだったばかりにごめんなさい」と謝罪には使うけど、謙遜みたいに愛という言葉にはつけない。主語で使うなら「言葉足らずは人を傷つける」。そこに愛があってもダメなのよ。
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「らんまん」ただ好き、という才能に叶わない教授の嫉妬。このところ求心力すごいドラマ。
「どうする家康」半蔵が好き。
「アストリッドとラファエル3」アストリッドとテツオの初なロマンス、見守りたい。

「このすばらしき世界」と「ノッキンオン」はまだ観てない。

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今日のらんまん、あの状況下で『植物学が好きな者同士〜』みたいなこと言えちゃう神経やばいよな。無邪気さ…ということなんだろうけど…
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私は最初、takerは田辺教授だと思っていた。
でも、田辺教授からしたらtakerは万太郎の方だったと言う事に気付かされたここ最近の#朝ドラらんまん。
東京大学にある本は田辺教授が集めたもの。
開国して西欧化を急ぐ日本で一から揃えるのは真価を見極めることから始め大変な事だったろう。
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「わしは何ちゃあ持っちょりません」万太郎に「あいにくたくさんのものを持っている」教授。本当に「幸い」ではなく「あいにく」なんだ。剥き出し感のすごかった田邊教授に、人間の哀しみやどうしようもなさを感じてひりひりした。うまい脚本だと思う。
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小学校には藩校からの制度変更から編入して、
学校を出ておけば将来何かと役に立つと周りが諭していたのを、
周りの学習レベルが、「その時の自分」より「たまたま」低すぎた
ことに自分で勝手に絶望して、静止を振り払って自学の道に
走ったのが万太郎。
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大学の植物学教室の資料を利用したいから謝っているようにしか見えないよ、自分で全部やるっていう意味がわかってるのかな

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らんまん第87話ネタバレ感想考察「持つ者と持たざる者、でもそれは将来を見据えた努力の差」

万太郎と教授の決別は決定的なものになりそうですね。
万太郎はドイツ留学に旅立つ前の徳永助教授(田中哲司)に「教授への感謝を忘れるな」とあれほど言い含められていたのにそれが何たるかわかっていなかったように思います。
万太郎の、「教授への感謝=心の中で真心を込めてありがたいと思っている」だけなんですね。
これが小学校にも通わず人に頭を下げることもなく好きなことだけをしていた人間と、世間の荒波にもまれながら正規の手段を取って学歴を得ていった東大の面々との違いで、感謝と尊敬というのは目に見えるかたちであらわさないといけないということを万太郎は理解してなかったんですね。
だから寿恵子に聞かれたときなぜ怒らせたのか「わからん!」と言った訳です。

教授は今の地位と植物学教室を得るためにたぐいまれない努力をしたわけで、好きなことだけして小学校を卒業することすらしなかった万太郎はまさにいいとこどりをしています。
持つものと持たざるものの差は将来を見据えていかに努力していたかによります。
分かっている、めぐまれていた故に何も持たないのだという万太郎に、田邊教授はさらに神経を逆なでされました。
努力しているが植物学の高みにはいけない教授への当てつけにしか感じなかったでしょう。万太郎は自分を弱い立場の人間としながらも学者として教授に感謝しているというのを形で見せることはありませんでした。
それを教授に別れというのは無理な話です…。
今回はネット上でも教授派と万太郎派に分かれました。私も教授派ではありますがこの二人の和解は遠そうですね。

次回:らんまん第88話「一筋の光明」

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