前回、万太郎(神木隆之介)は砂をかけられつつもめげることなく懸命に印刷所で学び始め徐々に受け入れられていきます。そして寿恵子(浜辺美波)はとうとう高藤(伊礼彼方)から人生のパートナーにと言われながらも妾にならないかと声を掛けられてしまったのです。
らんまん第49話ネタバレ感想「季節は廻り」
前回、万太郎(神木隆之介)は苦労知らずの風変りな性格から嫌煙されつつも、徐々に印刷所内での居場所を作り始めました。一方寿恵子(浜辺美波)は高藤(伊礼彼方)から人生のパートナーと言われながらも妾として迎え入れ横浜の屋敷に住まないかと示唆されます。高藤ほどの人は早々捕まえられないのは叔母の反応でも分かっていました。しかし心には万太郎が浮かび、白梅堂に訪れない万太郎を想うのでした。
万太郎が印刷所に通い始めて3週間、夏が訪れノアザミが咲き始めていました。ノアザミに話しかけながら、確実に歩みを進める研究と経験に万太郎は満足そう。一方、寿恵子は万太郎が来ない現実とダンスで痛む体の痛みに参っていました。寿恵子は万太郎に最後に会ったときに高藤(伊礼彼方)に横抱きにされた姿を見られたためにふしだらな女だと嫌われたと思っていたのです。
寿恵子はまつ(牧瀬里穂)に「槙野さんなんて人は最初からいなかったんじゃないか。そう思ったほうが…」と弱音を吐き、まつはそれなら槙野さんを待つのを辞めたら?と言い出します。
「自分は旦那様に尽くし切ったことを後悔はしていない、別宅を賜ったし本妻にも配慮をしてもらった何より寿恵子を授かった。妾冥利に尽きると思ってる。そして幸せだけをかみしめて生きていけばいい、そうしないとみじめでたまらなくなる。誰かを待つことを暮らしの真ん中に置いてしまうと寂しくて自分がつまらない人間になってしまう。捨てられて気持ちになる。そうなるといざ旦那様が来た時に責めてしまう。辛さでなじりたくなる」
寿恵子は女は待つばかりで男の人は勝手だと口をとがらせます。
「男の人のためにあんたがいるんじゃないの。あんたはあんた自身のためにここにいるの。だから自分の機嫌は自分でとること」
と言い、今なら浴衣を縫う、好きなだけ本を読む、文太さんの水ようかんをたべるとかねとほほ笑むのでした。
大学では、波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)が試験勉強に勤しんでいました。先輩の細田晃助(渋谷謙人)、飯島悟(高橋里央)、柴豊隆(岸野健太)も東大の難しい試験勉強に殺気立っており、特に上級生たちは試験で頭がいっぱいで植物学雑誌の執筆協力にはいい返事がもらえていませんでした。万太郎たちは、先輩たちの後ろを通りながら、植物学雑誌は西洋の書物のようにする、教授の御墨付きだとわざと世間話をし気を引きます。3人は海外に通用する書物だと本当に思っているのかと詰め寄りますが万太郎は「本気でそう思っている。思ってないとかなわない。思い描いたら実現するだけ」と言い波多野と藤丸も援護射撃します。そうしてとうとう上級生3人も植物学雑誌に参加することを了承、ついに雑誌の目次に名を連ねるメンバーがそろい歓喜するのでした。
3人で子供のようにはしゃいでいると、そこに寿恵子が訪ねてきました。自分の機嫌は自分でとる、そう助言を受けて万太郎に会いに来たのです。しかし沈む自分の目に映ったのは学友たちとはしゃぎ躍る万太郎の姿、寿恵子は声を掛けることができず踵を返してしまったのです。
白梅堂に帰宅した寿恵子はまつに万太郎を待つのはやめる、あの人は私と合わなくても平気だったといい部屋に籠ってしまったのでした。間の悪いすれ違いでした。
夜、万太郎は印刷所にいました。3週間の間にみるみるうちに習得し手際よく仕事をこなす姿に印刷所の面々も満足気です。印刷が終わった石版の絵をなでていると、画工の岩下(河井克夫)が「いつも絵を触るな?」初めて話しかけてきました。岩下さんの絵に触れる事ができるのは印刷が終わり石を擦るほんの少しの間だけだからと答えると、岩下も自分も師匠や兄弟子の版木をそうやって撫でていたと語ります。
そうして見てみるか?と自分の絵の仕事を教えてやろうと誘ってくれたのでした。
前回:らんまん第48話「主従関係が終わるとき」
次回:らんまん第50話「石版に描く想い」
らんまん第49話ネットの反応「それお高いんでしょ?の通販トークに笑う」
良い言葉!
明治時代に通販が( ; ゜Д゜)
通販のアシスタントみたいな事を言う波多野くん
女心なんて全く考えてなさそうなところもまた可愛い
らんまん第49話ネタバレ感想考察「まつさんから見る明治時代の妻と妾。人生のパートナーはでまかせではない」
明治時代初期は妾の制度というのが法的に決まっており、実は法的に守られていて、妻と妾は同等の二親等と定められていました。そして妾との間の子はちゃんと父親の姓を名乗ることができました。
ですので高藤が言っていた「人生のパートナー」という位置づけはそれほど悪い意味合いで言ったのではなかったのかもしれません。
この法律は明治3年から13年まで続いており、おそらくその間に寿恵子の父は亡くなっています。寿恵子の姓はそれまでは父親の姓だと思うのですが、今は母とおなじ「西村」ですので、本妻から御金を渡され家を出されたときに改姓しているのかもしれません。
まつは本妻から心配りをしてもらったと言っていましたが家から出されたというのはやはり妾と妾の子の悲しいさがを受けたということなのでしょう。
ですので今回はまつさんがお妾さんの心構えについて語っていて驚きました。これまでのまつさんは寿恵子には日の当たる場所にいて欲しいというスタンスで、舞踏練習会への参加し上流階級の男性の目に留まることを恐れている様子が描かれていたので意外でした。
自分は寿恵子の父に愛されて屋敷ももらい、本妻にも心配りをしてもらって寿恵子も授かり妾としては最上級の待遇をうけたと。しかしそれが運要素が強いことを分かっているからこそ今までは拒否していました。しかしそれほどまでに苦労したにもかかわらず、万太郎に対して自覚のない恋をして待つだけの寿恵子を見かねたのでしょうか。微笑んではいましたが複雑な心情が見て取れる回でしたね。
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