らんまん第52話ネタバレ感想「教授たちの思惑」

らんまん

前回、万太郎(神木隆之介)は印刷所での仕事を覚え画工の岩下(河井克夫)からも熱心に指導を受けました。もう少しで技術を習得するところまで来ています。一方、寿恵子(浜辺美波)には元老院議官の養女になる話まで出ており確実に追い詰められていました。

らんまん第52話ネタバレ感想「教授たちの思惑」

前回、万太郎(神木隆之介)は画工の岩下(河井克夫)から石版印刷に絵を描く技術を習い初め、2週間でだいぶ上達していました。印刷所にもすっかりなじみひたむきさも気に入られています。
一方寿恵子(浜辺美波)は高藤(伊礼彼方)に洋食レストランに誘い出されそこで元老院議官・白川(三上市朗)の養女になる話をされました。寿恵子に何の了承もなく進めていく高藤と白川、無意識に自分を妾の子である芸者の子であると貶める二人、そして優し気にしながらも妻をけなしどんどん囲い込んでいこうとする高藤に寿恵子は違和感を抱きます。
その姿をボーイとして働いていた竹雄(志尊淳)が偶然みてしまい、万太郎に急ぎ伝えるのですが万太郎は何も持たない自分は寿恵子を迎えに行けない。植物学者としての槙野万太郎となったら迎えに行くと返すのでした。

竹雄がどんなに万太郎を急かしても万太郎は頑として譲りません。そこに義平(奥田瑛二)が顔をだし竹雄と初顔合わせ、義平は万太郎を熱心で器用で働き者だと褒めました。
万太郎がようやくまともに絵を刷り上がらせることができたと義平に伝え義平にお願いがあると言うと義平たちは万太郎が辞めると大騒ぎ、すっかりなじんでいる万太郎を竹雄は満足気。万太郎は意を決して、植物学雑誌の印刷を正式に発注したいと言うのでした。

植物学教室では、波多野(前原滉)、藤丸(前原瑞樹)らが自分の原稿を英訳したり雑誌創刊の作業に勤しんでいました。藤丸はきゅうりを食べながら苦手な英訳を波多野にお願いしましたがきゅうりをつかった買収はうまくいかず、穏やかな空気が流れる中万太郎はとうとう自分の検定を仕上げました。達成感に包まれた万太郎が教授に連絡してくると席をたち見送る藤丸達。
ふと波多野は「万さん、大学の標本と合わせて自分の標本も発表するつもりだろ?教授が許すかな?」と懸念をつぶやきました。

万太郎が、田邊教授(要潤)の部屋に行くと難しい顔をした徳永助教授(田中哲司)もいました。出直そうとする万太郎にこちらの話は終わったところだと田邊は招き入れます。
万太郎は植物学教室の標本の検定がすべて終わったことを伝え自分が土佐から持ってきたものも一緒にロシアに送ってほしいとお願いします。徳永はいい加減にやったんじゃないか、そしてお前は大学に籍を置いている人間じゃない一個人だと窘めますが、田邊は受け入れロシアに送ることを了承します。徳永は驚いてそれを許すと万太郎がつけあがると抗議しますが、万太郎は今回のことは教授にも利があると諭します。
「土佐のフローラが完成したら教授が西日本で採集を始める時に役に立つ、教授は利があることは受けてくれる、そしてたまたまそれが自分にも利があるそれだけのことです」
といい田邊も賛同、学会誌ももうすぐ完成だという万太郎を笑顔で送り出すのでした。徳永はそれはまずいとさらに止めに入ります。
しかし田邊はこう言いました。
「水準に達成していなければすべて燃やせばいい」
その言葉に風向きが変わりました。徳永は驚いて万太郎は授業料まではらい石版印刷の技術間で習得、多大な時間を使って原稿の編集もすることでしょう、と止めに入ります。田邊はその場合はすべて万太郎が一人でやったことだろう?と言いだす始末、徳永からすれば大学の権威も守りたいが、何かあった時の失敗を学生でもない万太郎に負わせようとする田邊の方針はあまりの行為でした。田邊はダメ押しのように言い放ちます。
「なんだ、槙野を甘やかすなといったのは君だろう。矛盾の塊だな君は」

田邊教授の裏の顔をみた徳永は釈然としないまま部屋を後にします。上級生の細田(渋谷謙人)、飯島(高橋里央)、柴(岸野健太)に学会誌の原稿は書いたか?というと、どうせ2年生たちが勝手にやってることという3人、いいから書け!と怒鳴りつける徳永に学生たちは縮みあがりました。

さらに庭に出ると万太郎が寝っ転がって花を見ていました。何をしているのかと問うと、ヒルガオとユウガオの花が同時に咲いているのを見ていたと。昼と夕方の境目だからと。徳永は珍しく万太郎の横に座りなあ、と話しかけました。
アサガオ、ヒルガオ、ユウガオの中で一つだけ違うものはなんだと問い、万太郎はユウガオだけがウリ科だと答えました。徳永は頷き、だが私はユウガオが好きだ、源氏物語に出てくるからだ。私は日本文学が好きなのだというと万太郎も好きだ返します。

おべんちゃらはいい、と徳永が立ち上がると万太郎は万葉集が好きだと言いました。徳永が「朝顔は朝露負ひて咲くといへど」というと、万太郎はすかさず下の句「夕影にこそ咲きまさりけり」を言い確かに日本文学の知識があることを知ります。
徳永は利用するだけ利用して万太郎を捨てるつもりの田邊のやり方、権威を無視してもひたむきに研究を続ける万太郎の姿、そして大学を守りたい自分のポリシーにさいなまれつつ去っていくのでした。

一方、ダンスの練習から戻ってきた寿恵子は、母・まつ(牧瀬里穂)と二、三しゃべった後部屋に戻って万太郎からもらった絵を破ろうとします。しかしその手は寸前で止まってしまうのでした。

前回:らんまん第51話「ヒロイン略奪」
次回:らんまん第53話「自覚する恋心」

らんまん第52話ネットの反応「徳永助教授意外やん」

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きょうのらんまんよかった 徳永助教授〜!
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徳永助教授が、学会誌が燃やさせるかもしれないと聞いて急に万太郎に同情するようになる展開に、(?)となったけど、文学(本)を愛するが故という意見を見て納得。 #らんまん
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そもそも文学を愛する人間なら、どんな内容でも、しかも自分の研究対象なら、気に入らない相手が作ったものだって、焚書は生理的に耐えられないんじゃないかな
徳永助教授

寿恵子ちゃんに続いてここにもヲタクがいた

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今日の回で一気に徳永助教授に奥行きが出てきたよねえ。目の前の厄介だと思っていた人間を、助手の前に人であると認識していたわけだよ。徳永助教授の、どうしても譲れない自分の中の倫理的セーフティーネットに万太郎がひっかかかってしまった。これはすごい。 #朝ドラらんまん
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徳永助教授と田邉教授の印象が逆転してきたぞ…面白い。暑苦しく怒鳴っていた徳永助教授は人間を駒としては見られない温情家、エレガントに見えた田邉教授は、実は
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焚書に耐えられなかった徳永助教授
泣きますよねこれ
今日の観て時々笑いながらずっと泣いてたの、
きっとこれ
田邊教授の言い方が彼一流のドライなだけだったけど、燃やすで急に徳永助教授が窯変したので徳永さんがウェットなのがわかっちゃった
#朝ドラらんまん
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そもそも田邉教授はなんで植物学を選んだんだろうと思う。「そこにコネがあったから」とか「選択肢の中でマシだったから」とか「そのジャンルなら一番になれるから」とか、そんな理由に思えてならない。 #らんまん
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教授は「優秀な労力」としてしか万太郎を見てなくて、助教授は努力している「万太郎」を見てたというのがとてもいい
正規の手続きで来てない、のが気に入らなかっただけなんやね
まあ不出来な学会誌なんて万太郎が作るはずがないので史実っぽくなるのはまだ先かな…
#朝ドラらんまん #らんまん #朝ドラ
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ヒルガオとユウガオが一緒に咲く時間が有るように昼と夕は一瞬で切り替わるものではない。人間も「いい人」と「悪い人」、それぞれの面を合わせ持ちながら生きている。田邊教授の冷酷な部分、徳永助教授の善性、どっちも紛れもなくその人の一部分 #朝ドラらんまん

らんまん第11週まとめはこちら

らんまん第52話ネタバレ感想考察「とことんアメリカ式な田邊教授vs典型的日本人な徳永助教授」

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追っかけでらんまん見てる。
徳永教授、優しいとこあるじゃん😭グッとくるぞそれは。

田邊教授はアメリカンな考え方。完全実力主義で厳しい。けどめんどくさいしがらみは気にしないから仕事はしやすい。

要潤さんの演技も相まって、一癖も二癖もあると思っていた田邊教授ですが、上記のツイートをみて、あー!っと思いました。自分は何を見ていたのかと。「牧野富太郎がのちに矢田部教授に東大植物学教室の出入りを禁じられた」という史実のエピソードだけで判断して、浮世離れしすぎた万太郎がやらかして出入りを禁止されたとか、田邊教授とそりがあわなかったとかそういう展開だけを考えていましたが、アメリカンな考え方とすると納得がいきます。

外資系企業ですと、本当に実力主義で大きな失敗をして会社に必要ないとされると、翌朝出社したらいきなりIDを返せといわれ明日から来なくていいと言われるのが普通、本人の努力も数字でみる、結果がすべての世界、田邊教授はアメリカかぶれではなくて骨の髄までアメリカの思想に染まっているのかもしれません。
対して徳永助教授は、日本文学を愛する人物、留学経験もありません。徳永助教授は東大の権威権威とよく言いますが、努力を積み上げてきた学生たちを見ている方こそ、試験もせずに伝手を使って研究室にくる万太郎を受け入れられなかった、「結果も大事だがそれまでの努力を大切にする」典型的日本人思想なんですね。
万太郎が残ることは徳永助教授にとって利はありません。しかし学会誌を燃やさせまいと上級生たちに書け!と発破をかける姿はとても人間らしいと思いました。

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