前回、渋谷の町を隅々まで歩き熟知した寿恵子(浜辺美波)は、様々な人々と知己を得ていきます。そうして開業に際し、有力者である引法湯の佐藤(井上順)らに地域活性化のプレゼンを行い受け入れられていくのでした。
らんまん第116話ネタバレ感想「ふと立ち止まる先の光」
前回、万太郎(神木隆之介)方式で、渋谷の町を隅々まで歩き回った寿恵子(浜辺美波)はリサーチ能力やそこで得た知己を最大限に生かし、渋谷の地域活性化の糸口を見つけるのです。寿恵子の店「やまもも」の整備がある程度できた頃、有力者である引法湯の佐藤(井上順)らを招待した寿恵子は、そのプレゼンを行い、面白いやつだと受け入れられるのです。
そうして、めでたく開店した「やまもも」、知る人ぞ知る通の店として新橋から客が来ます。
叔母・みえが女将を務める店「巳佐登」の常連・官僚の相島圭一(森岡龍)はそこに大物実業家を連れてきます。実業家の名は、小林一三(海宝直人)。今に続く阪急阪神東宝グループの祖、宝塚歌劇団の生みの親として名高い人物でした。
寿恵子が渋谷で店を開いている夜、万太郎は印刷所が休みになったという虎鉄(濱田龍臣)と共に待っていました。もうすぐ完成する植物図鑑、しかし万太郎はこれまで寿恵子や虎鉄の労働に支えられてきたがこの図鑑はその期待に応えられるだろうか、人々が待ちわびてくれたものになるのだろうか八犬伝のように愛されるだろうかと急に不安になるのです。皆が傍らにこの図鑑を置いて植物を愛してくれるだろうか、そんな世の中になるだろうか、万太郎の言葉に虎鉄も言葉が詰まるのでした。
寿恵子の店を訪れた相島は上機嫌でした。「ここは新橋赤坂ではできない内密の話をするにはもってこいだ」相島はそう小林に伝え誘ったのです。
寿恵子のもてなしはまず渋谷にちなんだもの。渋谷の松濤茶と、松濤茶を練りこんでボーロ、ボーロがポルトガルの菓子だと知る小林は驚きます。
相島は山椒が香るすき焼きを、小林はボーロから起草しオランダなますが欲しいと希望します。
裏方に戻ると早速、寿恵子はフミ(那須凛)を頼ります。フミは「巳佐登」で働いていた仲居の一人でみえ(宮澤エマ)の指示で「やまもも」を手伝いに来ていたのです。
フミは相島様は岩崎様のお座敷でおとなしくしていたがあのような男が化けると思っている、これから大富豪になりそうな男を見るのが楽しいと官僚に臆することなく肝の据わったことをいうほどの人物、これ以上頼もしいことはありません。
そして、出入り口で待っていた引法湯の下男・迅助(武井壮)に宮益坂の椿屋に鯛を手配してもらいます。仕入れた鯛はなますやほかの料理にと手際よくそろえてもらい相島と小林を満足させるのです。
小林は「眼力のある人間がその土地に降り立てばいい。土地が決めた価値を決めるのは外から来た人間の方が良いんだ」と、言います。彼は銀行員ですが、この先鉄道事業をする予定だといい、その眼力を相島は信じていました。
鉄道を作るにはとてつもない資金が要る、そこに家があればどけなけれあばいけません。小林はそこで、土地が余るような誰もいないところを買いそこに先にこちらが思い通りの住環境を整備してやれば人は集まる、とこれまでにない着眼点で構想を練っていたのです。相島は褒めるばかりですが、小林は自分がこれから関西に赴任するからと相島を焚きつけています。相島もまた非凡な才能の一人、小林はこれを放っておく気はないのでした。
「この先互いに鉄道の勇となるのはどうです?この渋谷にはあなたが降り立てばいいのです」
そう、相島もまた東急グループの祖となる人物でした。
相島と小林は大変満足して帰っていきました。絶品だと評したオランダなます、あれは実は居酒屋・荒谷の佐太郎(芹澤興人)が作ったものでした。佐太郎は昔客に包丁を突き付けたからひと様の前にでて料理をだすなんてと思っていました。しかしそれは暴れた客から店を守ろうとしただけの事、もともとは神楽坂で板前をしていたのです。
もうこれ以上つくらないと言う佐太郎でしたが、寿恵子は構わずウナギは焼けるか?と聞き、部屋から出てきたカネ(梅沢昌代)からうなぎどころかてんぷらも揚げれることをちゃっかり聞き出すのです。寿恵子は持ち前のポテンシャルで渋谷の町にどんどん溶け込み、成功させていくのです。
その裏で万太郎は、これから自分の図鑑がどう評価されていくのか人知れず悩むのでした。
前回:らんまん第115話「つなぐための店」
次回:らんまん第117話「新たな才能との出会い」
らんまん第116話ネットの反応「小林役の海宝直人さんイケメンすぎ」
なんかちょっと違和感感じるのは私だけ?
#らんまん
牧野富太郎が主人公で、こんなに渋谷に絡むとは!
「焚き付けにきたんです」の後、ウィンクして立ち上がって一回転した後に歌い出して、サビで急にゴレンジャーみたいになっても自分ついていく自信があります!!!
西の小林・東の五島・・・
当時荒んでいた渋谷に、鉄道が通ることになるとは..
女将としての寿恵子の声というか、仕草というか、おみえさんに似ているなぁと。
おまつさん、おみえさん、寿恵子の美人三人組がとっっても好きなので
寿恵子からおみえさんの片鱗を見られて嬉しかったなぁ🥰
#らんまん で小林一三役をやってる海宝くん。素敵! https://t.co/On0WoFl1SU
— もえぎ💙💛🏳️🌈🏳️⚧️ (@moegi0404) September 11, 2023
小林の言葉に、盃を干す相島の手が武者震いだろう、僅かに揺れている。
こういう、細部に血が通っていながらことさら強調しない画面作り、好きです。
らんまん第116話ネタバレ感想考察「東西鉄道の雄がそろうやまもも」
小林一三が阪急阪神東宝グループの祖で、宝塚歌劇団のの生みの親であることは前回言いましたが、相島さんはだれだろうとネット上で予想があがっていました。
おおよそこの人だと上がっていたのが、東急グループの祖である五島慶太です。今回小林一三とのやり取りで五島慶太であることが確定しましたね。
五島慶太は東急グループの祖としてあまりにも有名。生まれは農家の出で父親の事業の失敗で進学が苦しくなるものの、親を説得し東京帝国大学に進学し官僚への道を開いた人で、門地がなくても学歴でのし上がれた、現代のモデルケースのような人物でもあります。ただ東大卒業までは苦難の道があり卒業するころは29歳を超えていた苦労の人でした。
官僚になってからは鉄道院へと移り、鉄道への道を開きます。小林と五島は懇意で、目黒蒲田鉄道を立ち上げる際には五島を推挙、その後さまざまな電鉄を買収し今でいう東横線などを作り上げました。彼のおかげで今の東京の町は作られたと言っても過言ではありません。東京工業大学の移転、慶應義塾大学への土地の無償提供、東横百貨店なども始めます。
しかし第二次世界大戦時、東条内閣に入閣していたことから終戦後GHQに公職追放、戦後は破産寸前の東映の立て直しなど波乱万丈の人生を送るのです。ただそれは強引な企業買収手法を用いたものも多くあり、評判は千差万別、現在も様々な評価がされる人物でもあります。
コメント