らんまん第117話ネタバレ感想「新たな才能との出会い」

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前回、めでたく開店した寿恵子(浜辺美波)の店「やまもも」を訪れたのは官僚の相島(森岡龍)とやり手の実業家・小林一三(海宝直人)でした。彼らの難しいオーダーを次々とこなしてゆく寿恵子に二人の心は鷲掴みにされるのでした。

らんまん第117話ネタバレ感想「新たな才能との出会い」

前回、めでたく開店した寿恵子(浜辺美波)の店「やまもも」。「巳佐登」の常連であった相島(森岡龍)はすっかり入れ込んでいる様子で、やり手の実業家で名高い小林一三(海宝直人)を連れてきました。
寿恵子のもてなしは渋谷にちなんだものにアイデアを混ぜたおもてなし、数か月自身の足で歩いて得た知識と人脈から、お金持ちの難しいオーダーも難なくこなしてゆくのでした。
寿恵子がうまくいく一方、図鑑の完成が近い万太郎(神木隆之介)はある不安に駆られていました。
それは、寿恵子や虎鉄(濱田龍臣)らの人生と労力を犠牲にして記し続けたこの図鑑が果たして人々にとって必要なものなのか、何百年の先も愛される書物となるだろうか、そう思うようになっていたのでした。

そして高知から出てきた竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)夫妻、彼らが屋台を始めてもう5年の月日が流れていました。そこには相変わらず波多野(前原滉)が常連として訪れています。彼はもう竹雄の蕎麦でないと食べた気がしないとすっかり魅了せれていたのです。
波多野はそばをすすりながら、教授になってからつまらないことに時間を取られるとぼやき、田邊教授(要潤)も勝でこうだったのかもなと口にするのです。竹雄と綾はせめて食事だけでもとってほしいと波多野をいたわり、そこに万太郎と藤丸(前原瑞樹)も合流、藤丸と波多野は相変わらず仲が良く、藤丸は波多野の研究室を間借りし、酒の研究を続けていました。
ふと波多野が野宮(亀田佳明)から手紙が来たと言い、野宮が中学校で教鞭をとりながら多方面から研究の声がかりがあると伝えてきました。波多野は少し寂しそうな顔をしながらも、野宮さんが誰かと組んで研究するのは嬉しいと微笑むのです。
そんな波多野はすぐ大学にとんぼ返り、そして藤丸は酒のこれからのプランを竹雄と綾に話始めるのでした。

一方十徳長屋の槙野家では、採集から戻った虎鉄が千鶴(鈴木咲)に「オリヅルラン」を手渡し説明をしていました。千鶴は天真爛漫で姉の千歳(遠藤さくら)は手を焼いていました。「ねえちゃんの花はないの?」と無邪気に聞く千鶴を千歳は諫めます。自分の花がないことに対して関心をよせない千歳に虎鉄が「ちーちゃん花はきらいかい?」と聞くと、半ば呆れたようにただでさえ家は植物だらけだと千歳は笑うのでした。

そして舞台は戻り屋台では藤丸の演説が始まっていました。
まず研究して分かったこと、それはフランスの学者がアルコールの中に発酵を促す酵母菌が存在すると発表しビールにはビール酵母という菌が存在する、そして日本酒には日本酒だけを作る清酒酵母の菌が存在しそれを日本の学者が突き止めたというものでした。ドイツに留学していたその日本人がそれを突き止め日本の農科大学に来ており藤丸はその人に教えを乞うのだとも伝えてきたのです。
それを聞いた綾は胸がいっぱいになりました。蔵の神様とさんざん言われていたものは清酒酵母であり、作成の過程で腐造を起こす菌をあらかじめ排除しておけば美味しい酒がつくれる、この先根拠のない迷信は消え失せていく、女子が蔵に立ち入ってはいけないなどとバカバカしい話はもうなくなるというのですから。竹雄は涙をこぼす綾の手を握りました。

藤丸と万太郎はそっと去り、万太郎は皆が先にすすんでいくことに空を仰ぐのでした。長屋に戻ると虎鉄が標本の整理をしていました。万太郎の不在中に荷物が届いたと、紀州熊野の那智山(和歌山)からのもので表に「新種在中」と書いてあったというのです。
送り主は南方熊楠(みなかたくまぐす)という人物でした。とても長い手紙の長さに情熱を感じる万太郎、読み進めると南方熊楠なる人物は14年海外におり様々な国を回っていました。しかもネイチャーに星座の論文が掲載されたこともあるという異才、そんな自分がどれにも合わない植物を見つけたから鑑定してほしいというのです。
しかも植物分類学の大家となった万太郎に自分が付けた学名を植物につけろというのですから虎鉄はすこし引いてしましました。結局それは新種ではありませんでしたが、情熱ほとばしるその文面に、万太郎が東大におらずともここまでの人が現れたのだと感心するばかりでした。
穏やかな虎鉄にはこの南方熊楠のような熱は苦手なばかり、しかし万太郎はこんな人物が出てきたことが嬉しかったのです。
南方熊楠からの標本には、もう一つ新種と書いてあるものがありました。万太郎がそれに気づいたとき目の色が変わるのです。それは「ハチク」と名付けられていました。

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らんまん第117話ネットの反応「南方熊楠きた!!」

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らんまん第117話ネタバレ感想「万太郎以上の偏屈者・南方熊楠」

牧野富太郎とは直接会ったことがないと言われてはいますが、交流があった模様で本当に標本を送って鑑定を依頼したエピソードが存在します。牧野富太郎よりはるかに偏屈で破天荒です。
東大に入ったものの学問には身が入らずそのままアメリカに留学、海外を転々としその間、ネイチャーに論文を出したことも本当です。牧野富太郎より波乱に富んだ人生を送っていますが、それゆえに奇才過ぎて受けいらられなかった人です。
牧野富太郎もバチバチやりあった松村教授(徳永教授)に対しても神社の合祀のやり方を厳しく批判するなどもありました。
しかし彼はただ偏屈なだけではなくその活動を続け、そのうち合祀は無益という結論を貴族院に出させたのです。
史実でここまで有名な彼がこれからどう万太郎と関わっていくか楽しみですね。

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