前回、婚約者・西村寿恵子(浜辺美波)と竹雄(志尊淳)と共に佐川に帰郷した万太郎(神木隆之介)はうまく話をつけて役人を追い払い、皆との再会を楽しむのでした。そして病の床にある祖母・タキ(松坂慶子)は寿恵子が勝負に勝つまでは嫁としては認めないと百人一首を挑んできたのでした。
前回、佐川に帰郷した万太郎(神木隆之介)たち、万太郎は美しい婚約者・寿恵子(浜辺美波)を同伴し、竹雄(志尊淳)はすっかり洗練された人になり話題になりました。
再会を喜ぶ綾(佐久間由衣)らでしたが、造国税の取り立ては厳しく峰屋は新しい酒の開発もできないほどぎりぎりの状態に追い詰められており、そんな折に長年峰屋を支えてきた祖母・タキ(松坂慶子)は病床についていました。タキを思いやり、顔を見に行った万太郎と寿恵子でしたが、タキは床につくどころか、百人一首かるたを広げてしゃんとした姿で座っており、寿恵子を見据えて勝負を挑んでくるのでした。
勝負に勝たなければ嫁として認められないと宣言された寿恵子、そして万太郎は読み上げる役を申し付けられ固唾をのみます。タキはどんどん取っていきますが、たまに胸を苦しそうにかがんだり具合が悪そう。寿恵子もまたタキを慮って同時に札を取ろうとしたときは手を引っ込めてしまうのです。
万太郎もいつも生け花を絶やさなかった祖母の部屋に花が刺してないことに気づき、祖母の体調の深刻さを察して勝負を止めに入りました。
タキは万太郎は家を出た身なので本当は誰を連れてきてもよかった、けれど勝負だというのに病床のタキを気遣う姿を見て寿恵子が来てくれて嬉しいと微笑みました。
「人とは違う道を歩む孫ですがどうぞよろしくお願い申します」
大店の大女将はそう言って孫嫁に平伏し寿恵子は感極まるのでした。
そして「甑倒し(こしきだおし)」が始まりました。豪華な食事と家を出た若旦那が東京から可愛い嫁を連れてきた、となれば杜氏の寅松(嶋尾康史)をはじめ蔵人たちも嬉しくてたまりません。若い女中たちも若旦那とのなれそめは?と寿恵子に詰め寄ったりと楽しい雰囲気が続きました。
皆を眺めながらふと疲れた様子でそっと宴会の席から去る綾(佐久間由衣)の表情を察し竹雄はそっと追いかけます。
皆が楽しそうにしていて万太郎もお寿恵ちゃんを連れてきて、こんな楽しい甑倒し(こしきだおし)はきっと今回だけだと言いかける綾に先のことはわかりませんきと諫める竹雄、峰屋に重くのしかかる酒税、祖母も先が長くないと綾を疲弊させていました。
峰屋には蔵人も女中もたくさんいる、自分もいる綾が一人になることはないと。しかし綾は自分が今まで祖母に守られていてこれからは自分が皆を守る立場になる、しかも時勢は酒蔵にとっては逆風、語り切れないプレッシャーにのまれそうになっていたのです。
竹雄にとってそんな綾はいじらしく放っておけない存在でした。竹雄は報告がある、といい続けました。
「自分と万太郎はもう主従ではない、対等の相棒、だから綾の事も草花が好きすぎる槙野万太郎の姉様で、酒が好きすぎる槙野綾さんとしか思わん。わしはそんな槙野兄弟が好きすぎる井上竹雄じゃ。貴女のことが好きなただの男じゃ。ほんじゃき貴女をひとりっきりにゃせん」
綾はそっぽを向いて、せっかく東京に行ったのに馬鹿じゃ。東京にはきれいな人もおったろうと首を振ります。
そんなものよりも峰屋を一人で背負うと決めた綾のほうが竹雄にはとても美しく大切な存在でした。この月が沈んだら、起こってもいないことに憂慮するのは仕舞じゃ。心配するなと励ますのです。
そして綾ももう竹雄をを奉公人とは思わないと言い真剣な目で竹雄の名前を呼ぶのでした。綾は竹雄の告白の返事をしませんでしたが初めて苗字を付けて彼を呼びそして去っていきました。
宴席に戻った綾は「酒!峰の月もってきぃや!」と叫び皆を盛り上げます。寿恵子に御酌され微笑み合う二人はとても美しかったのです。
宴席の声を聴きながら床につくタキはとても満足そう。15で峰屋に嫁いできたタキ、甑倒し(こしきだおし)の笑い声を聞くのは50回を超えありがたいと思っている、そう言いながら万太郎を絵を撫で、鉄寛先生を読んでほしい、とふじ(石村みか)に頼むのでした。
前回:らんまん第58話「大店の斜陽」
次回:らんまん第60話「マキノと名付けられた草」
らんまん第59話ネットの反応「竹雄たまらん」
長野県です。嫁の教養を試すのに百人一首使ったんですね。
私が綾だったら抱きついてるわ
綾→酒オタ
寿恵子→里見八犬伝オタ
竹雄→牧野姉弟オタ
らんまん第59話ネタバレ感想考察「志尊淳無双回でした」
造国税の圧に苦しむ綾の姿をみた竹雄が、万太郎たちをしり目に綾を落としにかかる回(言い方)でしたね。
幼馴染兼奉公人の青年が洗練された都会人となってスーツを着て戻ってきて、自分に愛を請う、しかもイケメンってとんでもない破壊力ですが、綾は返事を保留しましたね。
竹雄も落とせると思っていたのでしょうか「なんじゃあ」と拍子抜けした声が印象的でした。すぐに落ちないところが綾様の魅力なのかもしれません。
今回のネットの反応の中に「明治うまれの祖母も結婚の挨拶に行ったら百人一首をさせられた」というものがあり、タキさんの行動が脚本家の思い付きでなかったことがわかりましたね。
明治初年度から女子教育として良妻賢母が推奨されました。女子への義務教育は日清戦争前の24年におよそ30%、戦後の33年には70%に上昇しある程度の教養が求められるようになりました。
万太郎たちが挨拶をしに来た頃はまだ女子の義務教育課程がなかったので、百人一首で教養の程度を調べるというのは一般的な指針だったのかもしれませんね。
らんまんは随所に考察ができるシーンがあるので面白いですね。次回も楽しみです。
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