前回、池で見つけた水生植物を大学の植物学教室へ持って行った万太郎(神木隆之介)に、田邊教授(要潤)はそれはまだ日本で発見されていない植物だと伝え、その論文をぜひ書くようにと勧めました。
そして万太郎や若い学生たちに触発された徳永助教授(田中哲司)もまた新たな道を模索するのでした。
らんまん第85話ネタバレ感想「それは新たな火種」
前回、万太郎(神木隆之介)はその正体のわからない水生植物を東京大学の植物学教室に持っていきました。皆が新種だと騒ぐ中、田邊教授(要潤)は一目でその正体を見抜き、新種ではないが日本では初めて発見されたものだと指摘、そしてすぐに万太郎に論文を書くように促しました。
てっきり奪われるのではないかと思っていた周囲は驚き、万太郎もまた田邊教授にも認めてもらえたと大いに奮い立つのでした。
波多野(前原滉)も助手となり、進退に思い悩んでいた藤丸(前原瑞樹)も大学に復帰し、触発された徳永助教授(田中哲司)も大いに奮起、ドイツ留学を決め植物学教室は活気に満ちていました。
そして大学でムジナモの論文を書くために水生植物を飼育していた万太郎は、そのムジナモが花を咲かせたのを見つけるのです。それは海外でみつけられたものにはない現象でした。
ムジナモの開花から4か月、寿恵子(浜辺美波)は第二子を妊娠していました。園子は1歳3か月になりどんどんやれることも増えていきました。園子を背負いながらふと聡子(中田青渚)を思い出した寿恵子は田邊教授の家の前にいました。やはり帰ろうかと後ろを振り返ると田邊家の女中(福田温子)の姿が。
女中に話を聞いた聡子は家を飛び出ますが、すでに寿恵子の姿はありませんでした。
その日、田邊家にはいわゆるVIPが訪れていました。森有礼(橋本さとし)です。日本はもうすぐ内閣が誕生しその閣僚には森有礼も文部大臣として入閣する予定でした。その祝いの膳を用意するように言い含める田邊教授、森は気安く笑顔で気にするなと窘めるのです。
田邊教授と森は古くからの仲で、田邊教授が役人として留学した先のアメリカですっかり魅了され、いきなり大学に通い始めたエピソードを話し、この男はこんな顔をしているがとてもアグレッシブなのだと、聡子の知らない一面を話し出します。
そして留学したいために自分を利用した、それがあまりに痛快で、国費で留学させてやることにしてやった、田邊は自分こそが日本を目覚めさせる天下第一の学者になる常々いっており、右腕にするならこの男だと思ったと森は言ったのです。
ひたすら恐縮する田邊教授でしたが、森の目には厚い信頼が宿っていました。
内閣が発足すると、予定通り森有礼は入閣、その余波でお茶の水女学校の校長だった美作(山本浩司)は突如罷免され、代わりに田邊教授が就任することになるのです。
そのころ万太郎もムジナモの研究が大詰め、植物画にも力が入ります。論文を書けと言う田邊教授や大学に万太郎がきてくれてよかったと笑う藤丸、そして後ろ静かに支えてくれた大窪と徳永助教授、そのすべてに感謝し仕上げていきます。
完成した論文を大学に持っていた万太郎、その完成度の高さに大窪や学生たちも誉めそやします。
しかしその表紙をみた田邊教授は嘲笑します。そこにはムジナモの発見者として万太郎の名前だけが記載され、それが海外にはあるものの日本ではまだ発見されていないものだと指摘した田邊教授の名前はなく、万太郎一人の発表とされていたのです。
万太郎には「ムジナモがなんたるかを教えてくれた田邊教授の名前を記載し共著とする」という発想がなかったのです。これは完全に田邊教授に対し恩を仇で返したかたちでした。
田邊教授は静かに、万太郎に今後東京大学植物学教室への出入りを禁止すると告げたのでした。
前回:らんまん第84話「新たな命令」
次回:らんまん第86話「田邊教授、牙を剥く」
らんまん第85話ネットの反応「万太郎やっちまったな」
非難されるのも分かるが常識など万太郎にあるわけないじゃん。せっかく野宮さんがいいこと言ったのに徳永准教授が不在の間にこれかよ~~誰かそれとなく言ってやれよ~~と思いました。来週からどうなっちゃうんだろう。
大窪氏は田邉教授の肩を持つだけだったけれど、徳永教授だったら事前チェックはしてくれそう。刷り直しだなんて牧野家が赤字になってしまう。#らんまん
今日こそクールポコの出番だった。
らんまん第85話ネタバレ感想考察「森有礼は後に暗殺!俳優はどうする家康の山県昌景役の橋本さとし」
今回、いい話で終わるかとおもったらやっぱり万太郎がやらかしていました。万太郎の精いっぱいは「自分が精いっぱい頑張る」だけで「応援してくれた人への配慮」というものが欠けていました。
共著にするとまではわかりませんが、ただムジナモが海外では発表されていたが日本ではまだだ、という特定をしてくれた、しかも学歴のない自分を植物学教室に出入りさせてくれていたと考えるとここで田邊教授の名を出さないのはあまりに考えなしでした。
田邊教授が怒るのも無理はありません。あの瞬間大窪が即座に叱りつけ自分の監督不行き届きだと頭を下げましたが万太郎はまだわかっていない様子だったのには正直イラっとしてしまいました。大窪がそう言って教授の怒りを少しでもおさめようとしていたとは考えもつかないのでしょうね。
さて、今回田邊教授の出世を助けた森有礼が回想シーンだけでなくしっかり登場しました。森有礼は実在の人物で第一次伊藤内閣、黒田内閣に文部大臣として活躍しました。
女学校の創設や学位の制定などをする一方で海外経験を生かしてか急進的な欧化主義者であったため、様々な疑惑を向けられることになり、そのせいで最終的には暗殺されその生涯を終えた人物でもあります。
なんと後妻は岩倉具視の娘であり、森有礼とは一年半の結婚生活であったと言います。この後妻は三男を生み80歳まで生きました。
孫は森有正でやはり教育に携わる仕事をし、哲学者、フランス文学者としての道を歩み1979年に没しています。
この森有礼を務めた役者さんは橋本さとしさんで、今年はNHKでのお仕事が多い様子です。どうする家康の武田の猛将「山県昌景」を演じその死に様が話題となりました。
古くは餓狼伝説の「テリー・ボガード」の声優をながくされたことでも有名で多彩な俳優さんでもあります。田邊教授と万太郎はこと切れに終わってしまいました。橋本さんの出演シーンはこれから数度くらいしかなさそうで残念です。
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