らんまん第119話ネタバレ感想「恩人との邂逅」

らんまん

前回、南方熊楠と交流があると聞いた徳永教授(田中哲司)は万太郎に(神木隆之介)に「南方熊楠には深入りするな」と念を押すのでした。国が推し進める政策に真っ向から反対しており大学としては反抗できなかったのです。一方、寿恵子(浜辺美波)の店には思いがけない人物が訪れ万太郎を喜ばせることになるのです。

らんまん第119話ネタバレ感想「恩人との邂逅」

前回、寿恵子(浜辺美波)は相島(森岡龍)から神戸の若い実業家と込み入った話をするため一日貸し切りさせてくれと申し入れられます。そしてその実業家の代理人は土佐の人間だと聞き心躍らせるのでした。

一方、南方熊楠というセンセーショナルな男と交流を持った万太郎(神木隆之介)でしたが、それを知った徳永教授(田中哲司)は「南方熊楠に深入りするな」と念を押してきました。南方熊楠は国が推し進める神社合祀令に反対しており、大学は彼と縁を持ちたくなかったのです。
しかし合祀は森を破壊する行為。植物学教室としては見逃せないもののはずですが、「南方は正規の手段を踏まずに留学し東大も中退で学もない。おそらくこうやって目立つのが目的だ」と断じるのです。
徳永教授は表立って反対するのはやめ、満州の調査依頼を受けることにしていました。どこまでも国に添うやり方に万太郎は窮屈さを感じ顔を曇らせ、ただ採集旅行には熊野に行かせてほしいと願うと、それ以上言うなと徳永教授は口調を強くします。
実は徳永教授の元には「槙野万太郎の妻が渋谷で水商売をしている。大学に所属する人間の妻がこのようなことをしているのはいかがなものか」という警告が来ていたのです。
万太郎は自分はどういわれてもいいが妻のことは…と返しますが、それだったらこれ以上目立つな!自分はこれ以上庇えない…徳永教授はそう言ったのでした。

帰路、足取り重く長屋に向かう万太郎、野宮の手紙を思い出し取り付かれたように標本をあさります。そこに百喜(松岡広大)が帰宅し、役所に理科の先生がきてお父ちゃんに教科書書いてもらいたいって言ってたよと告げるのです。千歳(遠藤さくら)と千鶴(横山芽生)は喜びますが、百喜の次の言葉に万太郎の手は止まります。
「東京帝国大学のお墨付きが欲しいんだって」
万太郎の活動を後押ししつつも、今最も足かせになっている存在でした。万太郎が有名なのに助手であること、講演会にも呼ばれるしお父ちゃん目立つよねという何気ない言葉は万太郎に今を分からせるには十分でした。
「だからもう目立つな」
その言葉は常日頃より万太郎を庇っていた徳永教授の心からの言葉でもあったのです。

夜、寿恵子(浜辺美波)の店「やまもも」は相島(森岡龍)の指示通り貸し切りにし、神戸からの実業家・永守徹(中川大志)を呼ぶべく、まず代理人の男を招待しました。
代理人の男は入口ですぐに山桃に気づき「まさか東京でまたおまんにあえるとはのう」と感慨深く話します。代理人の男、それはかつて万太郎東京行きを後押しした人物でもある早川逸馬(宮野真守)だったのです。
逸馬は出された皿鉢料理(さわちりょうり)に驚きます。土佐のおもてなしのやり方だったので大いに喜びます。おかみである寿恵子が、自分の姉夫婦が作り、元は土佐で酒蔵をしていたというと逸馬はさみし気に呟きます。長く続いた土佐の酒蔵が国のせいで潰れてしまったと嘆いていたのです。

料理に舌鼓をうち、大切な鉄道事業の話になると、相島も寿恵子も緊張します。ちゃんと事業計画書も読んだ当主は一つだけ聞きたいと伝言をあずかってきたと逸馬の声も低くなります。
「あなたが人生で一つだけ選ぶものは何か?」
相島は即答せず考え込んだのです。
宴席を楽しんだ後、逸馬を見送る寿恵子が「面白い質問でした。人の数だけ答えがある」といい「自分の夫なら迷わず植物という」というと、そりゃかわっちゅうのと逸馬は笑いました。
「でも夫はこの世に雑草という植物はないと。どんな植物にも名前がある。人がその名前を知らないだけだ」
そのセリフに逸馬の顔色が変わりました。そして土佐の姉夫婦が酒蔵をしていることを確認し、御夫君のお名前は?と問うてきたのです。

逸馬は寿恵子の夫が若き日に出会った槙野万太郎であると知るとそのまま会いに来ました。思いがけぬ再会に涙し抱き合う二人、万太郎はあの日逸馬が庇ってくれたことに改めて礼をいいました。逸馬が庇ってくれなかったら今の自分はないというと逸馬は目を細めて笑いました。
「あれからおまんがよこにいてくれたらと思うことがあった。おまんがいたら面白かったし何でもできた、けどこれでよかった。わしは誰もが自分の思いのまま生きていける世の中を夢見たけんどまた戦いの世になってしもうた。自由とは己の利を奪い合うことではない。それやったら奪われた側は痛みを忘れん。憎しみが憎しみを呼んで行きつくとこまで行くしかのうなる」
万太郎は野宮の言葉を思い出し合祀で植物が潰されていくのを感じます。おまんこそが自由だったと笑う逸馬、しかし今はわからなくなったと、大学の助手の身分があるから受け入れてもらえているしかしそれが足かせとなってそれ以上の活動ができないのだと。
「身分は大事か?わしは信用したがじゃ。たとえおまんがだれじゃち、その眼だけで十分じゃったき」
その言葉にかつて自由民権運動をした時二人を思い出すのでした。

後日、「やまもも」には若き資産家・永守徹(中川大志)が訪れていました。そこには万太郎と寿恵子、そして逸馬も同席しています。
永守は万太郎の窮状を聞き、植物標本10万点、図鑑発刊の出版費用を永守家が支援するというのです。あまりの言葉に万太郎も寿恵子も驚いてしまうのでした。

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らんまん第119話ネットの反応「早川さん無事でよかった!」

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らんまん第119話ネタバレ感想考察「宮野真守さん演じる早川逸馬のモデルは「植木枝盛」か」

逸馬さんと万太郎の再会!感動的で尚且つ、牧野富太郎の晩年の支援者・池長孟(永守徹)との代理人として会うというのはすごい伏線でした。それを若いころ自由民権運動をやっていた牧野富太郎のエピソードと繋げているというのが脚本家の手腕を感じますね。
今回、ネット上にこの早川逸馬のモデルは「植木枝盛」ではないかという説が上がっています。
植木枝盛は土佐出身の自由民権運動を実際にしていた人間で、万太郎と同じく大学には通わずがくれきはありません。しかし板垣退助に従い書生となり様々な活動をしてます。
果ては政界入りし一時期衆議院議員をしていました。そのうち板垣らと思想が合わなくなり離党、選挙戦の前に36歳で死去しています。
何となく写真の雰囲気も逸馬とにていますが、らんまん中だともう壮年期に入っていると思うので年齢は創作がはいっているようですね。若くして亡くなった人であるので彼では?という予想はこれまで出てきていなかったようです。
しかし植木が遺した文章の一部「自由は土佐の山間より」はらんまんの作中にもあり彼がモデルである確率は高いです。

次回:らんまん第120話「綾の夢が叶うとき」

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