らんまん第118話ネタバレ感想「120年に一度の花」

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前回、日本人が清酒酵母があると発見したという情報を持ってきた藤丸(前原瑞樹)に、女のせいで日本酒が腐るわけではないと証明された綾(佐久間由衣)は涙しました。そして万太郎(神木隆之介)の元には稀代の天才南方熊楠からセンセーショナルな手紙が届くのでした。

らんまん第118話ネタバレ感想「120年に一度の花」

前回、藤丸(前原瑞樹)はドイツに留学していた日本人が清酒に酵母菌がありそれが酒を造ることを発見、腐造が女が原因ではないと証明されたとの報を持ってやってきました。綾(佐久間由衣)は涙し新たな酒造りの道筋がみえてきたと竹雄(志尊淳)と手を握りました。
一方、万太郎(神木隆之介)の元には一風変わった手紙が届くのです。差出人は南方熊楠、東大に入学しながらも勉学に身が入らず、中退したかと思えばアメリカ、イギリスなどに留学し様々な学会誌に発表をしていた奇才でした。
強気に新種と書いてある標本は二つ、新種だったら自分の考えた名前を付けろと言う熊楠に万太郎は笑い、虎鉄(濱田龍臣)はドン引きします。一つは既存のもの、もう一つは新種かもしれない標本、それには「ハチク」と記載されていたのでした。

夜半、万太郎は熊楠からの小包を枕に、熊楠の論文の載る海外の学会誌「ネイチャー」を読んでいました。熊楠の登場を闇夜に恒星が現れたと表現する万太郎。寿恵子はそれを万太郎みたいだと返すのです。
渋谷にも満天の星が見える、あそこは田舎だが価値が出ると皆が懸命に働いている。万太郎も同じだ後から価値がわかる、だから早く印刷機をかって原稿を仕上げていこう、寿恵子はどこまでも前向きでした。
万太郎は寿恵子に、熊楠の送った「ハチク」、しかも花が咲いた状態の標本を見せました。
しこの「ハチク」は120年周期で咲き、咲いた後は山中の竹林は一斉に枯れ始め、その後竹林が再生されるという面白いものでした。
原理がわからないと怖いと寿恵子は言い、万太郎は人の世に異変が起こるとき竹の花が咲くと言う伝承があると言いました。ハチクは研究の余地のあるものでした。そして熊楠からの標本を改めてみると一か月前のもので寿恵子は本当に異変が起こるのかと不安になるのでした。

「ハチク」の影響かはわからないところですが、日本は日露戦争に突入、その影響で渋谷から代々木まで陸軍の練兵場が作られ、玉川電気鉄道の開通、東京鉄道の割入れなど渋谷の町は交通の要所として一気に変わりました。みえ(宮澤エマ)からの助言は大当たりでしたが、開発に伴いそれまで茂っていた大木が切り落とされたりと寂しさも垣間見えたのです。
今日も相島(森岡龍)が訪れ、「やまもも」で提供された鱧の天ぷらに大満足でした。その相島が寿恵子に相談があると話を持ち掛けてきました。
繁盛しているところ申し訳ないが一日貸し切りにできないだろうかということでした。神戸に永守という金持ちの家がある、旧幕時代は瓦商だったが御一新で兵庫全体の土地を買い占めて一気に莫大な財をなした。その家に出資をお願いしたいのだと言うのです。
寿恵子は叔母の店の「巳佐登」じゃなくていいのか?と聞くと相島は「やまもも」は気に入っているし、入口のやまももの木は土佐のもの。今回の交渉の代理人は土佐の人だということで「やまもも」はうってつけで、代理人は「早川」と言いました。

ある日万太郎が採集旅行から帰ってくると千歳(遠藤さくら)と千鶴(横山芽生)が夕飯を作っていました。手紙が届いてると娘たちが言い、部屋に戻るとそれは野宮(亀田佳明)からのもの。野宮は京都の私立中学で教師をしていたが、ある日南方熊楠から一緒に研究をしないかと誘われたと。自分にとっても最後の研究になるかもしれないと野宮は受ける事にしたという連絡でした。
熊楠は今は怒り狂っている。彼が子供の頃に過ごした糸田の神社が合祀によって森が潰され、水も濁り、生態系が全滅したからだそうです。神社の合祀令は国の大号令、大学ではだれも反対の声を上げることはできません。それでも勝手ながら君の顔が浮かんだと。すべてが失われる前に君に勝手な願いを託します。野宮の手紙には万太郎にも合祀反対に参加してほしいとの意図が見えたのです。
気持ちの整理がつかないまま大学に通う万太郎、顕微鏡の中の世界から植物を見る方向に転換した植物学教室で万太郎はやはり時代遅れの御仁となっていました。
そこに徳永教授(田中哲司)あての手紙が届きます。分厚い封筒に見覚えが、それは南方熊楠からのものでした。徳永教授は万太郎も南方熊楠から手紙を受け取っていると知ると深入りするんじゃないと釘を刺します。南方熊楠の思想は現段階では大学にとっては不利益でしかなかったのです。

前回:らんまん第117話「新たな才能との出会い」
次回:らんまん第119話「恩人との邂逅」

らんまん第118話ネットの反応「ハチク今年咲いてるんだが…」

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相島が紹介する永守徹のモデルは池長孟は映画評論家・淀川長治とも縁がある

相島のモデルが東急グループの祖・五島慶太だと以前書きましたが、その相島が紹介するのは、牧野富太郎の生涯のパトロンとなる池長孟です。作中では永守徹の名で中川大志さんが演じます。
この人は瓦商の子として生まれ、明治維新の御一新の際に兵庫の町を買いあさり資産を得たといいます。またこの時、勝海舟も幕末に神戸に海軍操練所を作っており神戸の土地を買いあさったといいますから何らかの接点があったのかもしれません。

池長孟は美術品蒐集家で劇作家であり実業家、かの有名なフランシスコ・ザビエルの絵画は彼の所有でした。戦後の税制改革により膨大な課税がなされ、この南蛮美術館は手放す羽目になりましたが、彼は散逸させることはせず、神戸市へ美術館の建物、所蔵品を纏めて寄付、南蛮美術館として残しました。今は神戸市文書館として残っています。

また彼は神戸に「紅塵荘」という豪華な屋敷を建築しました。そこは1946年に相続税の課税により外科医の劉四朗氏が購入、のちの春日野会病院の施設として売却され老朽化により2015年に解体されます。
明治期、大正期、昭和初期となると遠い人物のように感じますが、その池長孟は私たちが知る意外な有名人と縁を持っています。
それは、映画評論家の淀川長治です。実は彼の姉・淀川冨子が2番目の妻で、池長孟とともにここで暮らしていたのです。かなりの美人であったと言います。淀川長治さんといえば「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」のフレーズで有名な方。
幼少期に彼がテレビでしゃべっている姿を知る人はへー!となるはずです。明日、永守徹が登場しますがそんな背景があることを考えながらみると楽しいですね。

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