らんまん第86話ネタバレ感想「田邊教授、牙を剥く」

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前回、田邊教授(要潤)の助言を得て論文を書くことになった万太郎(神木隆之介)でしたが、完成した論文にムジナモが何たるかを教えてくれた田邊教授の名前を記載しなかったことで教授を激怒させてしまいました。田邊教授はとうとう万太郎を植物学教室への出入りを禁じ、植物学者としての道を断たれてしまった万太郎は呆然とするしかないのでした。

らんまん第86話ネタバレ感想「田邊教授、牙を剥く」

前回、ムジナモの論文を完成させた万太郎(神木隆之介)、全身全霊を込めた論文でしたが、その内容は田邊教授(要潤)との仲を裂く決定的なものとなってしまいました。
ムジナモが海外で発見されているという助言をした教授の名前が入っていなかったのです。大窪(今野浩喜)がとっさに自分の監督不行き届きだと謝罪しましたが、時すでに遅し、田邊教授は万太郎に今後一切東京大学植物学教室への出入りを禁止し、東大が保有する大量の標本を閲覧することもできなくなってしまったのです。
万太郎はなぜ教授を怒らせたのか理解できずただただ茫然とするのでした。

大窪はそんな万太郎の頭を押さえつけて謝罪させ自分が指導すると庇いますが、田邊教授は「自分の学生でもないのになぜ指導が必要なのか」と冷たく言い放ち、波多野(前原滉)や藤丸(前原瑞樹)もたくさんの検体もやってきたと庇いますがそれすらも「自分の研究のためにやったことに過ぎない」と吐き捨てさらに絶望に追いやるのでした。

3000にも上る標本や書籍は5年の間に田邊教授が多方面に働きかけ、多額の国費やコネクションを費やして収集したものでした。それらはすべて日本の植物学の礎となるようにという田邊教授の想いの集大成と言っても過言ではありません。
田邊教授は万太郎に「君は土足で入ってきた泥棒だよ」と言い放つに至り、君と関わる時間はもうないと取り付く島もありませんでした。

そして追い打ちをかけるように、万太郎が土佐で集めた500種類の標本を寄贈するようにといい、所持する研究資料すらも取り上げると宣言するのでした。
助教授の大窪、助手の波多野、藤丸は万太郎に同情しましたがもはやどうすることもできません。大窪は、田邊教授がお茶の水の女学校の校長に就任し世間の注目を集めやすくなった、その火種を少しでも減らしておくために万太郎を切ったのではないかと推察し、波多野は今、徳永助教授(田中哲司)がいないことを悔やみました。
論文の書きなおしを行う、万太郎ができることはそれしかありません。改めて自分の存在が異例であり、薄氷の上にいる立場であると自覚するのでした。

十徳長屋への道は本当に足の重いものでした。長屋の子どもたちの声掛けにも応じず、部屋に戻った万太郎は、寿恵子(浜辺美波)に今日起こったことを伝えました。
寿恵子は驚いて論文の内容の何がおかしかったのかと問いますが万太郎は「わからん!」と泣きそうになるばかりでした。懸命に研究をしていた姿を見ていた寿恵子は、結婚の祝いもしてくれて音楽会にも同席するように声を掛けてくれた教授が万太郎を切るはずがない、何が理由があるはずだから教授の家に行くと息巻きます。
しかし今はもう火に油を注ぐだけと止められ寿恵子は悔し涙を流すのみ、そんな二人の心の支えは幼い園子の笑顔でした。

前回:らんまん第85話「それは新たな火種」
次回:らんまん第87話「進退窮まる」

らんまん第86話ネットの反応「教授の気持ちわかりすぎる」

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らんまん、今つらいとこ。😢
田邊教授可愛さ余って憎さ百倍?
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田邊教授、これまでの脚本で彼の背景をしっっっっかり描いてるから、昨日今日みたいに主人公をケチョンケチョンになじって突き放しても「まぁ教授の気持ちもわかるよ、万太郎にも悪い所があるし」と思える。ただの悪者にしないのはさすがだな〜。
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今日のらんまん、話はもちろんなんだけど、唖然として口が聞けない万太郎の表情が凄すぎて。神木くんさすがだなぁ。

それにしても、徳永助教授がいなくなるやいなやこんな事件が起きるなんて…酷な脚本じゃのう…

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連続テレビ小説らんまん、おもしろかった、、、すえちゃん、一度、万ちゃんのこと、ちゃんと怒った方がいいかもしれない、、、万ちゃんが悪いわけでもないのだろうけれども、それでも、万ちゃんを怒った方がいいような気がする、
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おかんが金曜のらんまん見てるけど、「森さんをもてなすように」と聡子さんに言う田邊教授、そうだよな、ちゃんとしてるよな……ってさらに浮かび上がってくるな…… #朝ドラらんまん
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論文が気に食わなかったのではなく論文に名前がなかったことが気に食わなかった
#らんまん
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今日一日らんまんのこと考えてたんだけど、学生ではない人間を受け入れるにあたりガイドライン決めなかったのは田邊の落ち度だよな。今の時代じゃ考えられない。
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田邊教授は嫉妬と怒りの中で、万太郎に正論をぶつける。だが、それは万太郎には響かないどころか、理解できない。万太郎の何者にも囚われない自由奔放さと、植物学に対する一途さが、人を惹きつけるが、田邊教授にとってはそれが心をささくれ立たせる。なりたかった自分がそこにいる。
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大学に改めて入学しなさい、でなければ実績積むため留学しなさいと正攻法を助言してくれてたし、それを「その間に他の人が次々見つけて発表してしまうからヤダ」と拒否したのは万太郎だから、やっぱり田邊教授だけを悪く考えるのは自分には無理だな

※めっちゃ狭量とは思うけど
#朝ドラらんまん

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らんまん第86話ネタバレ感想考察「人の気持ちに気づかない、実は万太郎の方がとても残酷」

前回に引き続き田邊教授の大立ち回り回となりました。田邊教授が植物学教室にどれほど貢献してきたかの描写は今まであまりありませんでしたが、政界とのつながりも、女学校の校長の件も、すべて植物学教室が日本の植物学の礎のなるべく奔走していた結果だとわかるシーンでもありましたね。
考えてみれば田邊教授はプラントハンターへの誘いの下りで、先に留学しろと伝えていましたよね。それを拒んだのは万太郎でしたし、命名権はないにしろ生活が保障されるプラントハンターへの道も示されたのを断ったのも万太郎でした。

田邊教授には嫉妬も自分が研究成果を出さなければならないと言う焦りもありましたが、万太郎がそれなりに立ちゆく道筋を示していたのです。
しかし万太郎は植物が好きで、一途にやっていればその才のおかげで周りに許されていた感があり、本人は自覚なくそれを享受していました。教授に認めてもらって出入りを許されたのもいわゆる「ズルの切符」を手にしていたからこそです。
「師範学校を出て大学に入りなおす時間はない」万太郎はかつてこう言ってましたね。正規の手段を踏まず、その無駄な時間と万太郎が切り捨てた時間を歩んでいた東大の面々や東大の権威を高めるために尽力していた田邊教授の気持ちは万太郎にはわからないのでしょう。

失意のうちに帰宅し、どうして教授が起こったのかと寿恵子が聞いたとき「わからん!」と嘆いた万太郎はまさにそれ、アヒルの如く水面下であがく人々の立場も心情も考慮できない人好きのする笑顔と才能だけの彼は実は一番残酷なんですよね。

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