前回、田邊教授(要潤)の怒りを解くべく田邊邸を訪れた万太郎(神木隆之介)でしたが、結果は決別が決定的なものとなるだけでした。
図譜作りに励む万太郎に対し、大学の総力をつぎ込み図鑑を出すと宣言されてしまい万太郎は植物学者としての道を確実に潰されていくのでした。
前回、東大の植物学教室に出入りしなければ研究に支障をきたすことを新ためて認識した万太郎(神木隆之介)は田邊教授(要潤)の怒りを解くべく、図譜を書き直し、なおかつ田邊邸に謝罪に向かいました。
しかし田邊教授は万太郎の発言が自分を馬鹿にするものにしか感じる事ができず、決別は決定的となり、田邊教授もまた大学の資金や所蔵された資料を使い図鑑を発表すると宣言するのでした。それは明確な万太郎潰しの意思表示だったのです。
失意のうちに家族の元へ帰る万太郎をそっと抱きしめたのは寿恵子(浜辺美波)でした。そしておさない園子はヒメスミレの花の前に立ち、どんなときでも花は咲いていると、万太郎に示すのでした。
翌朝、万太郎は園子が見つけたヒメスミレの花を横にマキシモヴィッチ博士からの手紙を眺めていました。そして側による園子を膝に乗せ一緒にヒメスミレの絵を描いてみせるのでした。
万太郎はアプローチ方法を変えて、新たに作った植物誌を手に博物館を訪れました。そこで田邊教授との顛末を野田(田辺誠一)と里中(いとうせいこう)に伝え、教授へのとりなしとそれがかなわぬなら博物館に出入りさせてほしいと頼みましたが、田邊教授が図鑑を作るとなると一切情報は漏らせないし、博物館は大学と協力関係であり国費も関係しているとの理由から断られてしまいます。
野田も里中も自分たちを慕って上京した万太郎のことが好きでした。
「君の才能を認めてくれる人は他にもいる」と言い、植物画の才能、フィールドワーカーとしての強さなど誰にも引けを取らないものを持っていると背中を押し、マキシモヴィッチ博士の元へ行くと言う道を示しました。
里中は「槙野君、やめるなよ」と目を赤くして声を掛け最後まで万太郎を気遣うのでした。
帰宅すると寿恵子がある人物からの手紙を渡してきました。それはロシアのマキシモヴィッチ博士からの手紙、ムジナモの論文と植物画を高く評価し早速ドイツの学者とも連絡を取った、そして海外の雑誌にも万太郎の植物画が掲載され、槙野万太郎の名は世界にとどろくだろうというこの上ない評価が書かれていました。
その評価を寿恵子は自分の事のように喜んでくれ、万太郎はロシアのマキシモヴィッチ博士の元で研究がしたいと頼み込みました。
寿恵子は肝の据わった女性でした。本当に冒険だといいながら3つの条件を提示します。
「一つはお腹の子は長屋で産む、二つ目は母・まつ(牧瀬里穂)に子供たちを会わせておきたい、三つ目、自分たちを離さないでほしい。自分にはあなたしかいない」
女性ながらに江戸っ子の気風のいい宣言でした。万太郎はただただ感謝しこんな大切な寿恵ちゃんを離したりしない!と返すのでした。
その日、親子三人は川の字になって眠りました。ことに園子の寝顔は愛らしくその姿だけ見れば幸せそのもの。
しかし、朝に植えたヒメスミレは少し枯れていき不穏な様相を見せるのでした。
前回:らんまん第87話「進退窮まる」
次回:らんまん第89話「課されるにはあまりに無残な試練」
らんまん第88話ネットの反応「寿恵ちゃんほんとすごい」
認めてくれる人がいるのは幸せよね。
#らんまん
彼から見れば、現在田邊教授と万太郎+博物館や東大の皆さまがあーだこーだしてるアレコレは無いに等しい事象なんかな
まあ向こうは向こうなりに、権利関係とか色々あるとは思うけど
それまでの流れから、教授…ってなった部分あるけれど、田邊教授の虚しさもわかるなぁ。
#らんまん
らんまん第88話ネタバレ感想考察「枯れていくヒメスミレに嫌な予感爆発」
今回は田邊教授と決別したことがいかに影響するかがわかる回でした。博物館の雑用ぐらいならひょっとして道もあるのではと思いましたが、「協力関係にある」との理由で受け入れてもらえませんでした。
個人の博物館など皆無の時代、この頃の博物館の運営は完全公費でしょうから政財界と深いパイプのある田邊教授や、学会の権威である東大と揉めるなんてことをしたら博物館が潰されかねません。
万太郎は、博物館の二人から田邊教授へとつながる素晴らしい切符を手にしていてわけですが、それは大きな博打でもあったわけですね。これが波多野のような性格の人間であればずっとうまくいったかもしれません。
一方、今回は寿恵ちゃんの江戸っ子の気風の良さがさく裂した回でもありました。八方ふさがりで国内ではもう学者としての道が途絶えてしまった万太郎ですが、寿恵子はただ本当に冒険だと呟いてロシア行きを止めませんでした。
これからお金の工面も出産も控えていてなかなか発言できることではありません。ただひたすらにいい女です。しかしそのロシア行きのお金を出すのはだれなんでしょう。峰屋はさすがに難しい気もしますし、寿恵子の母は店をやっていたとはいえ峰屋程の大店というわけでもありません。
ましてや伊藤家のように研究の大家でもないですし私費留学はかなり難しい気がします。
そしてもう一つ気づかれたでしょうか。
朝、園子と共に咲いていたヒメスミレが最後枯れ始めていたことに。植え替えた植物が元気なく枯れていくのは多々ありますが、園子の寝顔の後にこれがくる…嫌な予感しかしません。
今まで枯れた花の描写ってありましたっけ。
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