前回、竹雄(志尊淳)や綾(佐久間由衣)と腹を割って近況を話し合った万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)夫妻、二つの槙野家は互いの幸せを望みつつ別れるのでした。
ある日、寿恵子は質屋中尾でとある新聞を目にします。それは田邊(要潤)と聡子(中田青渚)をモデルにしたいかがわしい内容の小説だったのです。
前回、万太郎(神木隆之介)は大学の出入りを禁じられつつも植物学者として邁進すると竹雄(志尊淳)に伝えそれを止められるのでした。しかし八方ふさがりの状況下でも寿恵子(浜辺美波)は背中を押してくれるのだと言うと寿恵子の胆力にひたすら感心するのです。
十徳長屋では少しずつ変化が訪れて、丈之助(山脇辰哉)が次の原稿料が入ったら長年付き合っていた遊郭の恋人を身請けし所帯をもつので長屋を出ると宣言します。綾(佐久間由衣)はみんな自由に入って自由に出ていく、どこでも生きていけるのねとほほ笑むのでした。
数日後、竹雄と綾は佐川に戻り、万太郎が植物採集の旅に出ていくと、寿恵子は質屋中尾に内職で得たお金で質入れした着物を取り戻しにいきました。
そこである新聞の内容が目に入ります。中尾(小倉久寛)曰くいかがわしい小説、という内容は、「田口という大学の教授で女学校の校長を務める男が、里恵という女生徒に手を出し、校長相手に断れない里恵は一線を超えて女学校を中退する羽目になる」という、明らかに田邊教授(要潤)と妻の聡子(中田青渚)をモデルにしたものだったのです。
聡子の一大事であると中尾を飛び出し田邊邸に行くと、小説の内容を信じた人々が田邊邸に罵声を浴びせかけているところでした。
家の中では聡子が言われない暴言におびえる子供たちを抱いていました。子供を背負ったまま駆けつけた寿恵子の姿に聡子は驚きます。警官が来て群衆を撤退させようとすると彼らは一種の狂気に駆られたように石の投げ入れ田邊家のガラスを割ります。
田邊教授の娘が「父と母は悪いことをしたのか」と寿恵子に聞くと、寿恵子は「あの人たちは自分たちが正しいと思ってやっている。でもそれが正しいとは限らない。そんな人たちとお父様とお母さまどっちを信じる?」と聞きます。
子どもたちが「お父様、お母さま」と答えると、寿恵子は微笑んで「自分はあなたたちのお父様がどれだけ立派でお母さまがどれだけ優しいか知っている。お母さまはお父様にとても尽くしているのよ」と安心させるのでした。
群衆が去ったころ、田邊教授が戻ってきて寿恵子に言いました。
「あなたにとっては好都合でしょう。聡子につけいれる」
といい寿恵子を愕然とさせます。田邊教授は万太郎が博物館へ行ってとりなしてほしいと言っていたこと、でもそれは無駄ですよと続けました。
寿恵子は憤慨して、「必要ありません。槙野は今植物採集に出かけ、お言いつけの標本も用意しているところです。槙野にご執心なのはあなた様の報ではありませんか?」と返しました。
田邊教授は相変わらず勝気だ、子供のためにも身の振り方を考えた方が良いと笑い、聡子にあんまりですと止められます。
寿恵子は「結構です。私は槙野と別れる気はありません。それから殿方の事は私と聡子さんには関係ないことです。貴方には腹が立っても聡子さんへの気持ちは変わりませんから」と宣言します。
田邊教授は寿恵子のような人こそ女子教育が必要だといい、踵を返す寿恵子を尻目に聡子を呼び止め、無教養な人間と関わるな毅然としていなさいと言い含めます。
そこで聡子は「それでもお寿恵さんは私のお友達です」といい始めて教授に逆らうのでした。
憤慨しながら長屋にもどった寿恵子を待ち受けていたのは万太郎から届いた大量の植物でした。やってやると息巻く寿恵子は横で眠る次女に笑いかけるのでした。
万太郎は高知の植物を一から集めなおしていました。
そこで虎鉄(寺田心)という少年と出会います。きのことりに山にはいったという虎鉄にキノコが自生する場所を教える万太郎。草花を集めている成人男性に怪訝な顔をするも、万太郎に「君の一番好きな植物を教えて?」と言われ、虎鉄は珍しい植物が生えている場所に案内します。
しいの木の下にみつの出る花のようなものでした。誰も名前をしらない花だという虎鉄に万太郎のテンションは一気に上がるのでした。
前回:らんまん第93話「前を向く人、足を掬われる人」
次回:らんまん第95話「研究は逃げない」
らんまん第94話ネットの反応「田邊教授が八つ当たりしてる」
そこだけは教授に完全同意。寿惠子がどういう女性になったか…面白い作家や有能な研究者になったかもしれない。馬琴先生の。
固執。愛と嫉妬は紙一重。ね、寿惠ちゃん。寿惠ちゃんの中では田邊教授も登場人物のひとりかな。
わりかし安直なネーミング(苦笑)
石を投げたい相手に「嘘の本当」を塗りつけてるだけなの。
朝ドラのらんまんを見ていました。
山野草のヤッコソウが登場していました。
寿恵子ちゃんも、聡子ちゃんも
いい友達になれたねぇ(ホロリ)
寿恵子ちゃん、顔はお綺麗なのに
怒りでカッカしてる表情がべらぼうにうまい!!
元トップ子役たちの共演きたーーーーー!!!
にしても、おおきゅうなったねぇ(ホロリ)
らんまん第94話ネタバレ感想考察「元子役トップ同士の競演と脚本家のすばらしさが垣間見える回!」
今回、田邊邸は予想以上に攻撃されていて、当時のメディアというものがいかに強いかがわかる回でもありました。寿恵子、聡子の両女子が田邊教授に啖呵を切ったのはよかったですね。聡子との交流は続いてほしいと思います。
一方、高知パートでは寺田心くんが山元虎鉄の役で登場しました。神木隆之介と寺田心、新旧の元子役トップの競演です。心くんは中学に入って急に背が伸び容姿もだいぶ変わりましたね。小さいままかと危ぶまれていた時期もありましたが、しっかり大人びた顔つきになってビックリです。
声はまだそれほど低くありませんが順当な15歳という感じではないでしょうか。
虎鉄くんはこれから、植物の発見に多大に寄与する役です。登場回数も増えるでしょうし楽しみですね。
脚本家のすばらしさが冴えわたる回
そして皆様、今回のお話、細かい演出に気づいたでしょうか。Twitter上ではおひとり気づいておられて、ああっとなったのですが…。
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脚本家さん細かい!確かに当時の警察官は薩摩出身が多いのです!東京にいた3000人の警察官のうち、2/3は薩摩藩士でした。
そのことから民衆が警察を「さつまっぽう」と呼ぶようになりこれを略して「まっぽう」、さらに縮んで「まっぽ」になったそうです。
当時の警官のほとんどが薩摩藩士であったなどよく時代をみて描かれています。ちゃんと薩摩言葉指導も入れておられる辺りは圧巻です。
牧野富太郎周辺だけでなく、時代背景も綿密に調査し仕上げられた作品、そりゃ面白くならない訳がありませんね。らんまんの言葉指導や衣装などのスタッフロールを見るとまたちがう見方ができるかもしれません。
お話はもう佳境にはいっているはずですが飽きさせない、面白い要素が随所にみられる、それがらんまんですね。
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