らんまん第124話ネタバレ感想「カタバミは咲く」

らんまん

前回、あと数日で永守徹(中川大志)の待つ神戸に旅立とうとしていた万太郎(神木隆之介)。しかし突如として大地震が東京近郊を襲います。息子たちの安否もわからぬまま渋谷へと向かう槙野家の面々なのでした。

らんまん第124話ネタバレ感想「カタバミは咲く」

前回、永守徹(中川大志)に標本などの研究成果を持っていく準備をしていた万太郎(神木隆之介)を突如大地震が襲いました。世にいう関東大震災です。多くの建物、多くの美術品を灰と化した大震災が槙野家を襲ったのです。全焼は30万戸、死者は10万人を超えるこの災害に十徳長屋はひとたまりもなく崩れ、息子二人の安否もわからぬままほんの少しの標本を抱えて逃げる槙野家。途中、荷を捨てて逃げろと叫ぶ警官を制し、火事場泥棒に遭いそうになりながらも命からがら渋谷の店「山桃」に避難することを決めたのでした。

ようやく渋谷に避難した槙野家、そこには自身の後始末をする佐太郎(芹澤興人)もいました。生きてたのかと再会を喜び合う寿恵子(浜辺美波)、渋谷は燃えていない、「山桃」も無事だ、腹減ってないか、握り飯を食えと佐太郎は槙野家を迎え入れます。
「山桃」の店内は何等かモノが散乱していましたが建物そのものは無事、どうにか皆が生活できる環境が残っていました。皆ボロボロになりながらも無事を喜び合い、虎太郎(森優理斗)は半泣きになるのでした。
災害の中、十徳長屋から持ち出せたものはわずかでした。標本の一部、結婚式の時の写真、園子の手を描いた絵、でんでん太鼓くらいしかありません。
標本が気になる万太郎はまた根津に戻り、標本を取り戻そうとしますが佐太郎がとめに入ります。やけどで肌がただれた人が市内からたくさん来ている、とても行けるような状況ではないというのでした。
4日後、ようやく百喜(松岡広大)、大喜(木村風太)らが合流しました。陸軍省などの被害もひどく、逃げ惑う人々を収容したところに火災が起こり誰も逃げることができない惨事が起こっていたと知らされました。
二人は命からがら十徳長屋を見て、渋谷にたどり着き家族の安否を確認するのがやっとでした。神田いる虎鉄(濱田龍臣)の様子を見ることはかなわず、二人はそれぞれこれから新聞社と役所に戻ると言います。
9月2日には、慶応大学に避難していた連中が大学の武器庫に押し入り、自警団を名乗り始め、そんな連中が市内のあちこちに湧きだし、勝手に関所を作り、武器を振り回し警察や軍と揉め余計に統率が取れなくなっているのです。報道と公僕の観点から二人は戻るしかありませんでした。

しかし、万太郎は火が収まっているなら戻ると言い出し、大喜を激怒させます。人が皆おかしくなっている、植物どころではないのだと叫ぶのです。今日ばかりは家族のだれも賛同しませんでした。
しかし万太郎を止められないのは寿恵子も知っています。寿恵子は最後には自分も行くといいますが、女性を連れていくのはあまりにも治安が悪い状態でした。
寿恵子は40年間二人で頑張ってきたのだ、同じ気持ちだといい送り出すのでした。

戻った十徳長屋は崩れ、焼け落ちていました。標本は灰となりとても掘りおこせばあるというものではありません。石版印刷機も壊れ、活版印刷の石も割れていました。大金をかけた機材、長年の研究、すべて灰となっていたのです。
茫然とする万太郎、そこに神田から虎鉄が戻ってきていました。二人が無事を確かめ抱きしめ合いました。神田は自主消火作業を行い、二つの町は焼け落ちることなく残っていたといいます。がれきの中からほんの少しだけ残ったものを探していると、ふとムラサキカタバミが咲いているのを見つけました。
小さいがすぐに子株を増やして咲き誇るムラサキカタバミ、ここにまた花が咲く、何があっても季節は必ず巡る、花はまた咲く、万太郎はその花を見ながら決意を固めるのでした。

前回:らんまん第123話「すべてを奪うその揺れに」
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らんまん第124話ネットの反応「自警団の描写には不満かも」

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らんまん第124話ネタバレ感想考察「福田村事件とリンクか。あまりに生々しい描写」

今回のらんまんは震災後の生々しい描写が光りました。自警団を作り勝手に関所を作り…近年起こった東日本大震災の被災者とはあまりにも違いますね。今のように消防も小規模、五人組などの制度もにわかに残る時代ですからこのような動きは当然といえば当然です。
この時、実際に震災から5日後「福田村事件」という事件が起こっています。千葉県福田村、田中村では自警団が結成され、香川から来ていた薬売りの商団15人を取り囲み、「15円50銭」などと言わせ、休憩していた行商団のまわりを興奮状態の自警団200人ぐらいが囲んで「言葉がおかしい」「朝鮮人ではないか」などと次々と言葉を浴びせ、福田村の村長たちが彼らは日本人であると説得しても耳を貸さなかった。
警官を呼びさらに本署に問い合わせをするもそのうち大混乱が起こり虐殺が起こってしまったといいます。
15人のうち妊婦や2歳、4歳、6歳の幼児を含み9人が殺されたという悲惨な事件です。
今回のらんまんの関所を通る描写、私は気づかなかったのですが、どうもこの福田村を示唆する描写があったようです。気づかれた視聴者様凄い…どのような意味合いだったのか。わかりましたら追記しますね。

【追記】
福田村事件は四国香川県の薬商団の方言が日本人に聞こえなかったため、虐殺に至ったということでした。
らんまんでの関所の描写は万太郎が四国の土佐弁を使っていたので「福田村事件」のような悲劇に合わないかという懸念があった。15円50銭の旗があったとのことでした。イヤー怖いですね。

次回:らんまん第125話「想いよ届け」

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