らんまん第100話ネタバレ感想「権力争いの代償」

らんまん

前回、田邊教授(要潤)は出世争いから完全に除外され、森有礼(橋本さとし)の志が怪我されたと嘆きました。しかし聡子(中田青渚)に諫められ本来の植物学研究に集中することになりました。田邊教授は時同じくして万太郎(神木隆之介)と同じ新種の植物を目にすることになるのです。

らんまん第100話ネタバレ感想「権力争いの代償」

前回、田邊教授(要潤)は新聞で女学校が廃止されたことを知り自分が完全に権力争いから脱落したことを知ります。田邊教授からすれば森有礼(橋本さとし)と懸命に日本の教育を変えると必死にやってきた結果がこれだと腐るには十分でした。
失意の中酒におぼれる田邊教授に妻の聡子(中田青渚)が諫め、夫が始めた植物学に皆が追随していくことをシダにたとえ「始祖にして永遠」と言いあなたが始めたことだと褒めたたえたのです。
田邊はそれからつきものが落ちたかのように、周囲も驚くほど穏やかになり植物学に邁進するようになりました。四国への採集旅行のさなか、彼は黄色い新種かもしれない植物に出会います。
そして時同じくして万太郎(神木隆之介)も山元虎鉄(寺田心)から新種かもしれない黄色い花に出会うのです。二人は離れていてもどこかで交わっているのでした。
ある日田邊教授は日本の植物学史上に残る宣言をします。
「日本の植物学は世界に後れを取るものではない。欧米の学者を頼らず日本の学者が自分で学名を与え発表する」

見つけた黄色い花の研究は双方着々と進んでいました。花弁の形から「キレンゲショウマ」と名付けました。万太郎も田邊教授も、果実がないと先に進めないと結論付け、田邊教授は案内人にキレンゲショウマの果実を手に入れるようにと指示できましたが、今の万太郎には出来ないことでした。資料となる植物はどんどん田邊教授のところに集まっていき、最終的にキレンゲショウマは新属新種の植物であるという結論に達するのでした。
「属:kirengeshoma、学名:学名Kirengeshoma palmata Yatabe(作中ではTanabe)」田邊教授の集大成でした。万太郎は一歩及ばず発表には至りませんでしたが、素直に田邊教授を祝福しました。

田邊教授は今回の功績について聡子に礼を言いました。側にいてくれたおかげで今回のことができたと。誕生日が近いから何かプレゼントをすると言うと聡子は一日だけあなたをくださいと返しました。
子どもたちが海を見たいと言っているから一緒に行ってほしいと。どこまでも夫に尽くす賢妻な聡子に田邊教授は微笑んで了承しました。穏やかな時間が流れると思っていたその時、大学から手紙が届きました。内容は田邊教授を非職とする、すなわち大学教授を解任するという内容だったのです。事実上の追放だったのです。
失意の田邊教授が大学に行くと美作(山本浩司)とドイツから帰国した徳永助教授(田中哲司)が会話しているところに出くわしました。なぜ植物学教室に先に来ないと問うと、たまたま美作に会っただけだと徳永助教授は返します。徳永助教授は田邊教授の後任として教授職を継ぐことになります。
「私も世界を見てきましたよ」と手を握る徳永教授に田邊教授は「おかえり」といって手を握り返しました。二人が別れた後、田邊教授は教授室の椅子にすわりキレンゲショウマの標本を眺めていました。学者として新種を発見しても権力争いに敗れれば大学からも追放される、そんな厳しい現実に何を思ったのか。彼はドウランを置いて静かに大学を去ったのでした。

前回:らんまん第99話「離れていても交わる二人」
次回:らんまん第101話「彼岸を渡った人へ」

らんまん第100話ネットの反応「聡子さんだめ!それはフラグ!」

Twitter
1891年(明治24年)3月(今ココ)、教授職を非職となる。
1894年(明治27年)3月、非職満期により免官。
1895年(明治28年)4月、東京高等師範学校教授となり、
1898年(明治31年)6月には同校校長となる。
Twitter
せっかく家族水入らずで海に行く約束したのに… #らんまん
Twitter
田邊教授の有頂天気が、地に落とされるの辛いな。

今まで教授生活で1番イキイキしてたのに可哀想。

最後に歴史に名を残せたのは良かったね。

Twitter
らんまん

フラグ立ちすぎてつらい。
リアル田邊教授のお名前をそのまま役名にしても良かったのでは?と思う。

Twitter
これで本当に矢田部氏と同じ事になったとしたら..
聡子さんは一生自分のせいにしてしまわないだろうか?
退場するにしろ..せめて少し違った退場の仕方にならないだろうか..😢
#らんまん
Twitter
聡子さん、あっあっ、それは…そのフラグは><
おねだりは「シダ模様の帯」とかそういうのにしてーと思った

良い人であるがゆえにこの展開はきつい

Twitter
ああああ田邉教授、海は駄目です!!
今週限りなのかな。

らんまん第20週まとめはこちら

らんまん第100話ネタバレ感想考察「田邊教授の非職理由と悪名を全部背負わされる美作(箕作)教授」

分かっていたことですが史実と同じように田邊教授は東大を突如非職となりました。非職とは事実上の解雇であり追放宣言でもあります。史実の矢田部教授はその後東京師範学校の校長になるのです。

田邊(矢田部)教授の非職理由

悪目立ちする行動

矢田部教授の非職理由、それはらんまんに描かれていることがほぼ事実であります。
牧野富太郎の書物には「西洋かぶれで鹿鳴館のダンスに熱中したり先生が兼職で校長をしていた一橋の高等女学校の教子を妻君に迎えたり、『国の基』という雑誌に『良人を選ぶには、よろしく理学士か、教育者でなければいかん』と書いて物議を醸したりした」とあります。
また、中傷小説が出たのも本当で、明治の世の中において悪目立ちする人物であったようです。
また別の人物の証言では「英語で授業をした、しかし植物学に付随する生理学などは全くゼロであった。快活豪放で放任主義、たまに生徒の顕微鏡をのぞくぐらい。それもそのはずほかに兼務があったから忙しかったのだろう」
と作中で田邊教授が植物学教室の面々と距離が遠かったことと一致するのです。
また教本は海外の書物であり、それを英語で伝える形式であったことは十分な教育とは言えませんでした。そして遅れて留学した徳永(松村)教授が最新知識をもって帰国したこともあって矢田部教授の代わりはいくらでもいる状態だったのです。

三好学という生徒をめぐって学長と対立

史料がないため推測の域を出ないとしながらも「学長の菊池大麓と教頭である矢田部教授が三好学という生徒を植物分類学にすすませるか植物生理学にすすませるか揉めた」というのことがあります。
この菊池大麓の弟が箕作佳吉で美作教授のモデルです。箕作教授は兄と一緒に植物生理学にすすませることを望み、矢田部教授は植物分類学にすすませることを主張したと言います。話し合いには徳永(松村)教授や大久保(大窪)も仲裁に入ったとあります。
作中では菊池大麓は出ませんのですべて美作教授が悪みたいに書かれていますが、主導は学長であった菊池に間違いないでしょう。
またこの時騒動の一旦となってしまった「三好学」は理学博士であり桜の研究で名をはせ桜博士と呼ばれた人物で天然記念物の概念を作った先駆者として大成するのです。

次回:らんまん第101話「彼岸を渡った人へ」

コメント

タイトルとURLをコピーしました